2017/07/23 (日)
選手

内川選手2,000安打へ向けて

通算2000安打――それは大打者の証である。

「名球会」への扉が開かれる。それはプロ野球選手にとって最高の名誉だ。打者は通算2000安打、投手ならば通算200勝もしくは通算250セーブを達成したものだけが、そこに名を連ねる権利が与えられる。

王貞治球団会長、工藤公康監督、秋山幸二前監督も偉大な先人のひとりだ。そして記憶に新しいところでは2012年、当時キャプテンだった小久保裕紀選手がこの金字塔を打ち立てた。同年6月24日のヤフードーム(当時)のファイターズ戦だった。大記録に王手をかけたところで椎間板ヘルニアにより戦線を離脱。しかし、過去8度の手術など怪我と戦い、打ち勝ってきた男は再びグラウンドに戻ってきて、その復帰戦で決めた。一塁ベース上で目を潤ませた小久保選手は「苦しかったことを思い出したわけじゃないです。ワーッという歓声があまりに凄くて、それでウルウルきたんかな」と振り返った。

現在のホークスで、同じくユニフォームの左胸に「C」マークをつけて戦う4番打者――内川聖一選手は残り104本で今季をスタートした。

いつ、どこで、どのような形で「その瞬間」を迎えるのか――。

「2000本目も、その途中の1本も、常に同じ気持ちで打っていきたい」

内川選手は大きな瞳に力を籠めて語った。

2017年7月23日掲載
田尻 耕太郎(スポーツライター)

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