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| 9回裏2死二塁、李選手は三塁ベース直撃のサヨナラ適時打を放つ |
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| 9回裏2死二塁、サヨナラ適時打を放った李選手は、川崎選手に手を持ち上げられ笑顔を見せる |
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| 9回裏2死二塁、李選手はサヨナラ適時打を放ち川崎選手や多村選手らに手荒い祝福を受ける |
ボムちゃんの逆襲が始まった。打撃不振に苦しんでいたホークスの新外国人、李■浩(イ・ボムホ)選手が27日、サヨナラ打を放った。本拠地ヤフードームでの広島戦で、同点の最終9回にチーム今季初のサヨナラ勝利を呼び込む執念の左前打。サード争いでライバル松田宣浩選手に後れを取っていた、眠れる大砲がついに目を覚ました。
変わったのは、打球の軌道だけではない。李選手を取り巻く流れが、その瞬間、間違いなく変わった。同点とされた直後の9回裏。2死二塁で最終打席を迎えた。広島岸本投手の低めに沈む球に食らいついた。三塁線への打球は、ベースに当たって大きく跳ねた。サヨナラ打だ。一塁ベースを回った後、川崎宗則選手が真っ先に出迎えてくれた。キャンプ中から親しくしてきた選手会長に両手をつかまれ、鷹ファンへ、はにかんだような笑顔で手を振った。
李選手「自分で決めようとかは思っていなかった。ただ、今日の最後の打席。いつもより、集中力を高めていた。」
試合後、勝負のシーンを振り返る李選手の顔から、笑みは消えていた。決して、浮かれない。おごらない。分析力は、韓国プロ球界10年で通算160本塁打の実績が物語っている。この日のラストシーンでも、見極めていた。
李選手「スライダーを狙っていた。相手も前進守備。正確にバットに当てることを考えた。」
カウント0-1から高めに浮いたフォーク(ストライク)には微動だにしなかった。続く、3球目は低めボール球になるフォーク。それを空振り。「日本の投手の攻めは韓国の投手よりうまい」(李選手)。サヨナラ劇を演じた打球も低めの球を打った。目線を低くし、ボール球で誘う日本投手の配球の癖を読み切っていた。
平たんな道のりではなかった。思うように打球が飛ばなかった。かたや、ライバル松田選手は絶好調。キャンプでも焦る気持ちは隠せなかった。尊敬する主将小久保裕紀選手と韓国料理で舌鼓を打ちながら胸の内を吐露した。宿舎では、選手会長川崎選手の部屋を訪れ、深夜1時過ぎまで焼酎のコップを傾け合う日もあった。異国の地での重圧に、歯を食いしばって耐えた。
バンクーバー五輪ではフィギアスケートで韓国の金妍児が重圧を力に金メダル。刺激を受けるかのように韓国の大砲も前評判通りの勝負強さをアピールした。オープン戦とはいえ、秋山幸二監督も「勝負強いところ持っているじゃん。積極的に振っていけばいい。まったく知らないとこでやっているんだから」と笑みがこぼれた。
もう1つ。李選手にとっては、忘れられない1日になるだろう。前日26日、金允美(キム・ユンミ)さんが来日。この日初めて球場で観戦した。今年1月に結婚した愛妻と、福岡で新婚生活をスタートさせた記念日を、最高の一打で祝ってみせたのだ。
※■は木ヘンに凡