９回裏無死二、三塁、柴原選手は逆転サヨナラ３点本塁打を放ち雄たけびを上げながらダイヤモンドを１周する

　柴原選手のひと振りがチームを救った。２点を追う９回無死二、三塁。「追い込まれたけど、積極的にいこうと思った」。カウント2-0から136キロのチェンジアップを振り抜いた。打球は右翼席へ。94年の西武伊東しかいなかった「開幕戦逆転サヨナラ本塁打」。プロ通算47本塁打の男が史上２人目となった。
９回の攻撃前、王監督は一塁側ベンチでこの大逆転劇を予言していた。「多村が出て、松中がつないで、柴原が決めるぞ」。試合前から予感していたのだろう。「５番の候補は柴原、松田、レストビッチの３人いたが『今日は柴原で行く』と王監督が決めた」と秋山チーフコーチは舞台裏を明かした。王監督は「何かを持っている」と、昨季も２本のサヨナラ本塁打を放った柴原選手の強運ぶりには一目置いていた。
「開幕戦から大興奮。最初はどうなるかと思ったけどね。山あり谷ありですよ。あと143試合、上がったり、下がったりね」。王監督が集大成と位置付ける今季、開幕戦から“脚本”通り劇的に発進した。

（提供：西部日刊スポーツ新聞社）