ホークスの歩み

1951年

昭和26年(1951年)


パ・リーグ盗塁王になった木塚忠助内野手


監督兼内野手として陣頭指揮、最高殊勲選手になった山本一人


リーグ分立による余震が続く中、南海ホークスは2位西鉄ライオンズに18.5ゲームもの差をつけてリーグ優勝を決めた。山本一人兼任監督が最初から再び積極的に出場するようになり、トップの蔭山和夫から木塚忠助-飯田徳治-山本-堀井数男・・・と続く打線は得意の足を生かし、よく打ち続け攻守に生き生きと動きまわった。
5割強の出塁率をみせた蔭山が打率.315で大下に次ぐ打撃2位、山本兼任監督が.311で3位、盗塁王の木塚が.309で5位、飯田が.296で8位と、打撃ベストテンに4人も送り込み、打数不足ながら左の笠原和夫も.366とよく打った。走っても盗塁王・木塚55盗塁につづき蔭山42盗塁、堀井が20盗塁、山本飯田がそれぞれ19盗塁と他チームを圧倒した。

2位西鉄ライオンズに4引き分けをはさむ10連勝もあって12勝2敗、前年の優勝チーム毎日オリオンズに13勝4敗1分けと寄せ付けなかったのは、投手成績上位にずらりと顔をそろえた投手陣の力もあった。江藤勝が24勝5敗で最多勝、柚木進がエースの貫禄を見せて防御率1位(2.08)のタイトルを獲得して19勝5敗、復調して12連勝した中谷信夫が14勝2敗、19歳の新人・服部武夫が防御率2.03で10勝7敗(防御率は服部が上だが、リーグで協議、ピッチング内容を評価して柚木を1位とした)。率先、チームを引っ張った山本兼任監督の最高殊勲選手は当然だった。
ちなみに、シーズン中盤にペナントレースを一休みして、アメリカのようにファン投票による両リーグ・オールスター戦を行うようになったのもこの年からである。

初のオールスター、パ・リーグメンバー。前列左から片岡(毎日)、蔭山(南海)、野村(毎日)、山本(南海)、川崎(西鉄)、別当(毎日)、筒井(南海)、本堂(毎日)、佐藤(毎日)、土井垣(毎日)、木塚(南海)、大下(東急)、武末(西鉄)、後列左から関根(近鉄)、伊藤(毎日)、林(大映)、江藤(南海)、三原監督(西鉄)、湯浅監督(毎日)、浜崎監督(阪急)、米川(東急)、荒巻(毎日)、中谷(阪急)、飯田(南海)、飯島(大映)、浜田(東急)、戸倉(阪急)、柚木(南海)

パ・リーグ成績

順位 チーム
西











1 南海 - 124 13 101 101 151 12 104 72 24 8 .750 -
2 西鉄 24 - 112 122 62 11 11 105 53 42 10 .558 18.5
3 毎日 41 72 - 10 121 91 12 110 54 51 5 .514 22.5
4 大映 31 62 8 - 7 83 92 101 41 52 8 .441 29.5
5 阪急 31 92 61 5 - 52 52 96 37 51 8 .420 31.0
6 東急 31 3 81 83 92 - 71 102 38 56 8 .404 33.0
7 近鉄 5 5 5 72 72 81 - 98 37 56 5 .398 33.5

南海の投手陣。前・左から中谷、柚木、後・左から服部、中原


この年以後、おなじみの顔合わせとなる初対戦は「ベテラン巨人VS上り調子の若手南海」という前評判だったが、巨人の投打のベテランが南海気鋭の若手を余裕を持ってあしらった、という結果に終わった。
それでも巨人・水原監督は初の対戦とあって慎重だった。勝負強い藤本を起用して10安打を打たれながらも得点を許さず、南村、千葉が打って5-0。第2戦もペナントレース21勝の別所と遊撃・平井の息のあったピックオフ・プレーで完封し打者南村、青田で7-0の圧勝。第3戦、初回にタイムリーで2点奪われ、6回に巨人の新鋭松田に対し山本の快打で待望のシリーズ初得点となるも青田のファインプレーに阻まれ3連敗。台風で2日休みを取った後の第4戦、やっと南海が一矢報いるも第5戦では巨人が第1戦の藤本を、打線も組替え8-2の圧勝で日本シリーズの幕を下ろした。

(画像左)
健闘も及ばなかった飯田(右)と蔭山
(画像右)
走りまくった木塚(左は巨人・千葉)

日本シリーズ成績

第1戦 南海1敗 10月10日 大阪29,074人
巨人 0 0 0 1 1 3 0 0 0 5
南海 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
第2戦 南海2敗 10月11日 大阪27,639人
巨人 0 3 2 0 0 1 1 0 0 7
南海 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
第3戦 南海3敗 10月12日 後楽園35,066人
南海 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1
巨人 2 0 0 0 0 0 0 1 X 3
第4戦 南海1勝3敗 10月16日 後楽園31,936人
南海 0 0 4 0 0 0 0 0 0 4
巨人 0 0 0 0 0 0 0 0 3 3
第5戦 南海1勝4敗 10月17日 後楽園15,519人
南海 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2
巨人 0 1 0 2 2 0 0 3 X 8
協力:(株)ベースボールマガジン社