ホークスの歩み

1961年

昭和36年(1961年)

南海・広瀬は42盗塁で初の得点王。 以後、5年連続で盗塁王に。 MVP野村は2度目の本塁打王を獲得。 以降、8年連続で本塁打王となった。


南海は開幕してすぐ5連勝と快調に滑り出した。
鶴岡一人監督が体調を崩し休養、現場を離れても南海の調子は変わらず、そのまま首位の座はぴくりとも動かなかった。右手首の故障にもめげず、打ちまくる野村克也(本塁打王)の気力、杉浦(20勝9敗)、皆川睦男スタンカの3本柱の力投がチームをぐいぐい引っ張った。この年の打線は野村のみならず、杉山光平ピートも、広瀬叔功(盗塁王)も好調。寺田陽介森下整鎮穴吹義雄もしぶとさを発揮して、たたみかける力は相当だった。投手陣には3本柱に続く森中千香良の台頭も、田沢芳夫の復活もあって堂々の進軍だ。
特に下手投げの杉山皆川にとって阪急と近鉄は最高のお得意さまで、大きく勝ち越して貯金を増やした。この年、阪急には22勝5敗1分け、近鉄には23勝5敗というすさまじさ。8月17日、西鉄に勝った時点で、南海は2位に10ゲーム差をつけて独走の構え。南海の見事な2年ぶり、8度目の優勝である。キャッチャーで四番の野村がMVPに選ばれて、ドラマチックなペナントレースの幕は閉じた。

パ・リーグ成績

順位 チーム 試合 勝利 敗北 引分 勝率 ゲーム差 打率 防御率 本塁打
1 南海 140 85 49 6 .629 - .262 2.96 117
2 東映 140 83 52 5 .611 2.5 .269 2.39 108
3 西鉄 140 81 56 3 .589 5.5 .249 2.83 110
4 大毎 140 72 66 2 .521 15.0 .258 3.23 103
5 阪急 140 53 84 3 .389 33.5 .225 3.56 65
6 近鉄 140 36 103 1 .261 51.5 .229 3.96 68

スタンカは第1戦3安打完封、第5戦完投で2勝を挙げた


予想では南海がやや有利だった。エースのスタンカが安定していたのに比べ巨人は中村稔の進境はあったが、経験不足が不安視された。第1戦は予想どうり南海が力で圧勝した。誤算はタイムリーエラーの続出。「外国人シリーズ」の主役になったスタンカは、6試合中5試合登板の"日本式野球"にも力投したが、エラーに足を引っ張られた。第3戦の穴吹義雄と第4戦の寺田陽介、大型打線への移行で400フィート打線の担い手になった2人が数少ないはずのフライを落球したのは大きい。得に寺田の場合は、これで南海が勝ちという場面だっただけに、シリーズの流れを大きく変えたミスだった。この直後に起きた宮本敏雄への一球をめぐってスタンカが激高、宮本にサヨナラ打を浴びたが、寺田が捕っていれば、この場面はなかった。第6戦の巨人の決勝点も南海の内・外野の連携ミスによる安打で、2年前の見事な動きがみられなかった。

(画像左)
スタンカが投げた頭部付近へのボールに怒った宮本はバットを手にしたままマウンドに詰め寄った
(画像右)
第4戦の9回裏、本塁バックアップに入ったスタンカはジャッジの円城寺球審と交錯

日本シリーズ成績

第1戦 南海1勝 10月22日 後楽園30,720人
巨人 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
南海 0 2 0 1 1 1 1 0 X 6

スタンカ○ 中村稔● (本)野村 穴吹 寺田(南)

第2戦 南海1勝1敗 10月24日 大阪26,845人
巨人 0 0 1 2 0 1 0 2 0 6
南海 0 0 0 0 0 0 0 3 1 4

堀本○ 皆川● (本)穴吹(南)

第3戦 南海1勝2敗 10月26日 後楽園30,878人
南海 0 0 4 0 0 0 0 0 0 4
巨人 0 1 0 1 0 0 3 0 X 5

伊藤○ スタンカ● (本)宮本(巨)

第4戦 南海1勝3敗 10月29日 後楽園33,186人
南海 0 1 0 0 0 0 0 0 2 3
巨人 0 0 2 0 0 0 0 0 2X 4

堀本○ スタンカ● (本)杉山 広瀬(南)

第5戦 南海2勝3敗 10月30日 後楽園30,135人
南海 2 1 0 0 2 0 0 0 1 6
巨人 1 0 0 0 0 1 0 1 0 3

スタンカ○ 藤田● (本)寺田 野村(南) 長嶋(巨)

第6戦 南海2勝4敗 11月1日 大阪21,565人
巨人 0 2 0 0 0 0 0 0 1 3
南海 0 1 0 0 0 0 1 0 0 2

中村稔○ スタンカ● (本)王(巨)

協力:(株)ベースボールマガジン社