ホークスの歩み
1973年
-昭和48年- (1973年)
南海は、野村克也監督兼捕手が江本孟紀、西岡三四郎のニ本柱に巨人から移籍の松原明夫、山内新一とリリーフ・佐藤道郎の投手陣を、巧みに操縦して前期優勝を勝ち取った。中でも新戦力の山内が開幕戦直後にリリーフで幸運な2勝を挙げるや、6戦目に先発に起用した。期待に応えた山内が完封勝ちして自身をつけると、即先発の一角に据えた。波に乗った山内は6月6日に10勝パ・リーグ一番乗りし、同13日の近鉄戦で1安打1四球で完封勝利してロッテを振り切って単独首位に立つ立て役者になった。チームはそのまま首位を突っ走って前期の優勝。この年から採用されたプレーオフへの出場権を確保した。 野村戦術は地元大阪球場で圧倒的に勝つこと、投手に完投させることだった。大阪球場では山内、江本、西岡、松原を惜しげもなく動員して勢いのあった大平洋に連勝、近鉄に3連勝の5連勝をやってのけた。また、投げさせた以上辛抱強くリードして完投ペースにもっていった。前期38勝のうち完投勝ちが実に23試合、うち完封が13試合もあった。 前期優勝してプレーオフ進出権を確保した後期戦は、出足に阪急に叩かれると、意図的であったかどうか「死んだふり」。投手陣が揃って半不調。代わって門田博、ジョーンズが長打力を披露したが、後期の9月中旬まだ5位をうろちょろ。 ことに阪急には13戦1分け12敗という徹底さ。阪急の優勝が決まった後に日拓に4連勝して日拓と同率の3位になった。いかにもタヌキの野村監督だった。 |
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| プレーオフ南海VS阪急 10月19日、「阪急断然有利」の声の中、南海の本拠地・大阪球場で第1戦の火ぶたが切られた。南海は西岡、阪急は米田が先発した。先制したのは南海だった。2回ニ死ニ、三塁から相羽欣厚が右前に落として1点。南海はこれを守り切って、まず南海が勝った。 第2戦は、打って変わって打撃戦となった。南海が3発打てば、阪急も2ホームランを打ち返して9対7で逆転勝ちして1勝1敗に戻した。 第3戦からは場所を移して阪急のホームグラウンド西宮球場。ますます「阪急有利」の呼び声が高かった。ところが、南海の先発江本が緩急を織り交ぜた巧みな投球で阪急猛打戦を翻弄して6対3で快勝。野村、ジョーンズが打って勝った。南海王手である。 第4戦は、試合開始と同時に阪急の打線が大爆発して、アッという間に得点を重ねて13対1と南海を圧倒した。2勝2敗、大いに盛り上がって最終戦にもつれ込んだ。 第5戦、両軍必死の攻防戦8回まで0対0の緊迫した好ゲーム。9回の表の土壇場でスミスが右翼席にぶち込んだ。続く広瀬叔功がこれも左翼スタンドに打ち込んだ。南海が優勝フラッグに片手をかけた。 9回裏すでにニ死。しかし阪急はそこから粘った。一番手の代打・当銀秀崇が南海締めくくりの佐藤から、驚くなかれ右翼スタンドへホームランを打ち込んだのだ。1点差。わき上がる西宮球場。阪急はここぞと二番手の代打・高井を送り出した。南海は第3戦のヒーロー・江本にピッチャーを代えた。江本は全球ストレート勝負に出て、打ち気満々な高井保弘を三振に打ち取った。 こうして南海が7年ぶり、野村監督は初の年度優勝を飾った。 |
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こじんまりと機動力で攻めて、しっかり守るはずの南海が、第4戦で立て続けにタイムリーエラーしたのはいただけない。 |
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協力:(株)ベースボールマガジン社



![山内[イメージ]](img/pht_vol11_01.jpg)
![野村[イメージ]](img/pht_vol11_02.jpg)
![江本[イメージ]](img/pht_vol11_03a.jpg)
![グランド整備をする南海の選手達[イメージ]](img/pht_vol11_04a.gif)


