宮崎秋季キャンプは第3クールに突入しました。全体的な練習メニューはこれまでと同じです。
ウォーミングアップは朝10時からたっぷり1時間。投手陣はそのままランニングメニューや体力強化を午前中いっぱいは行って、キャッチボールなどの実技トレーニングは午後に行われます。野手陣はアップ終了後にキャッチボール、全員でのロングティー、エンドラン(バスターエンドランを含む)などのケース打撃、フリー打撃と昼過ぎまでずっと行っていきます。そしてランチタイム後は特打や特守、ランニングなどの個別練習の時間になります。
それぞれが来季への思いを胸に、日々の練習に取り組むのが秋季キャンプ。「完全復活」の4文字を誓うのが岩嵜翔投手です。
2017年シーズンには72試合、46ホールドポイントと大活躍を見せましたが、その後は右肘手術を2度行いました。今年8月に一軍復帰を果たしましたが、「自分の思い描く投げ方が出来ない」と本調子とはいかずに2試合に投げただけでファームでの再調整となりました。
「考え込むとどつぼにハマるタイプ」と自認する岩嵜投手は、「思うように投げられなくて悩んだ時はサイドスローに転向してやろうかと思ったこともありました」と振り返ります。“本当に自分”を取り戻すための秋季キャンプ。前クール2日目の7日(木)に一つの転機がありました。今キャンプ初のブルペン投球を立ち投げで行った際に工藤公康監督から左足の使い方のアドバイスをもらいました。「以前のやり方とは違っているけど、今の体の状態には合っていると思った」。翌日もキャッチボールを行った後に予定にはなかったブルペンへ直行。フォームを確かめるように10球ほど投げました。
そして第3クール初日の10日(日)も同じルーティンでブルペンに向かい、やはり約10球を投げました。
「前のクールで森山(投手)コーチに『もっと右側にためる意識があった方が良いのでは』と言われて、今日はキャッチボールから意識をして投げました。投げる際に体の開きが早くなっていた。だから二軍戦でもスピードボールを打たれてしまうことがあった。今日は右にしっかりためる意識と左足の踏み込みを考えて投げました」
笑顔で語った岩嵜投手。「前のクールでも前進したなと感じましたが、今日はもっと大きく前に進めたような気がします」と確かな手応えを口にしました。
「ピッチャーである以上、いい場面で投げたいと思うのは当然です」。自分の居場所を再び勝ちとるための大事な秋を過ごしています。