【5月20日（水）　ホークス3－2バファローズ　ヤフオクドーム】

エディソン・バリオス投手が積み上げた記録が、ついに日本タイ記録まで到達しました。

この日も僅差のリードを守るべく8回に登板。リードは1点という中で1アウト二塁と一打同点のピンチを背負いますが、「バッターに集中して、残りのアウトを取ることだけしか考えていなかった」。邪念や不安などまったくなく、ただ自分のベストボールを投げ込むことだけに集中していました。ここで駿太選手を2球で追い込むと、立て続けの直球勝負で150キロを内角に投げ込み見逃し3球三振に仕留めました。これで2アウト。続く代打・竹原選手にも全球ストレート勝負で、2ボール2ストライクから151キロで空を切らせました。

「今日のストレートは良かった。高谷捕手もそれを分かってくれていたと思う」

開幕から継続している連続ホールドは「17」。2005年に藤川球児投手が記録した数字に並びました。

「マウンドに上がる時には記録のことは全く意識しません。記録自体は（報道陣の）皆さんから教えてもらっているのでもちろん知っていますが（笑）。投げ終わってベンチに戻ると、みんなから『おめでとう』という言葉をたくさん掛けてもらいました」

バリオス投手の特徴について、工藤公康監督は「外国人投手の多くは強い上半身に頼った投げ方をするけど、バリオス投手の場合は下半身をきっちりつかえている。だからストレートも、球速以上に打者は感じているはず」と言います。バリオス投手にそのことを訊ねると「昨年、ファームでこの投げ方をみっちり磨いたおかげだと思います。継続していきたい」と胸を張りました。

また、5月20日は王貞治球団会長の75歳の誕生日でした。お立ち台でバースデーソングは歌いませんでしたが、「王さん、誕生日、おめでとうございます」と日本語でメッセージを送りました。「王会長にはキャンプの時に毎年、食事を一緒にさせていただき、野球への考え方やたくさんの経験などを聞かせてもらい、自分の為になっています」。王会長への恩返しとなる快投。しかし、喜ぶのはこの日の23時29分まで。また、次の登板に向けて、また万全の準備を整えるのです。