20日に呼吸不全のため亡くなった、王貞治最高顧問（68）の兄鉄城（てつじょう）さん（享年78）の通夜が22日午後、冷たい雨が降るなか、東京・新宿区の「太宗寺」で営まれた。長嶋茂雄終身巨人名誉監督（72）ら約600人が弔問に訪れた。王顧問は午後4時すぎ、鉄城さんの自宅から棺（ひつぎ）とともに会場に入った。通夜を終えると、王顧問は故人との思い出を感慨深げに話した。
  王最高顧問　10歳違うし、僕が野球選手になるまではおじさん、おやじに近い感じでした。高校3年くらいになってから強い味方だった。兄がいなければ早実に入っていないし、巨人にも入っていなかった。
  鉄城さんなくして「世界の王」は存在しなかった。プロ入りの際、巨人入りの意思を尊重してくれたのが鉄城さんだった。現役を辞めるときには故恭子夫人と鉄城さんには相談したという。ユニホームと決別し、来年には鉄城さんと温泉巡りをすることを楽しみにしていたという。「ゆっくり休んでもらって、兄貴にはかないませんが、王家の家訓をしっかり守りながら生きて行こうと思います」。戒名は慈光院穏譽鐵心居士（じこういんおんよてっしんこじ）。今日23日午前11時から同所で告別式が行われる。

（提供：西部日刊スポーツ新聞社）