2009/04/26 (日)

長谷川選手、鮮やかなサヨナラ打を放つ

11回裏2死一、二塁、長谷川選手は左翼線にサヨナラ適時打を放ち小久保選手と抱き合う
11回裏2死一、二塁、長谷川選手は左翼線にサヨナラ適時打を放ち小久保選手と抱き合う

ホークスが今季2度目のサヨナラ勝利をつかんだ。4-4で迎えた延長11回2死一、二塁の場面で、5番長谷川勇也選手が左前に鮮やかなサヨナラ打を放った。楽天・岩隈投手に押さえ込まれて完敗ムードだったが、2番手以降をつかまえ、8回には田上秀則選手が同点の三塁打を放ち、粘りを見せた。執念の大逆転勝利でホークスは借金1にし、西武と並んで4位に浮上した。
人生で初めて袋だたきにされた。右こぶしを突き上げて一塁を回った長谷川選手は仲間に引きずり倒され、パンチとけりを浴びた。「野球人生で初めてのサヨナラヒットなんです。小学校の時から1度もありませんよ」。この日はキャンプ地宮崎市による応援デー。賞品の高級マンゴーを左手に持ちながら「こんな高いの食べたことありません」。プロ3年目で手にした“ご褒美”に目を輝かせた。
延長11回2死から松中信彦選手と小久保裕紀選手がつくった一、二塁のチャンス。「真っすぐを引きつけて逆方向にバットが折れてでも打とう」。今季途中から球を手元に呼び込み、持ち味の強いスイングでぶつけるため、グリップを指3本分、短く握っていた。カウント2-3からファウルの後、内に入った直球を自分のポリシーどおり、左翼線へはじき返した。
昨年は定位置をつかみながら8月にバント練習で左小指を骨折。今季にかけるため、オフに福井県にあるバット工場に足を運んだ。「職人さんと自分のイメージにズレがあったり、勉強になった」。今は体調に応じて3本のバットを使い分ける。この日はグリップがやや太く、重さ910グラム前後のタイプ。左方向へ押し込む感覚を大切にした1本だった。工場に向かう時、集中豪雨に見舞われ、滋賀・米原付近で電車は一時ストップ。自らの野球人生同様に平穏ではなかったが、足元を見つめ続けた成果だ。
「今の打ち方は本塁打が出ないけど、構いません」。5番を任され9試合目。自分のスタイルを信じてバットを振る。今季は10試合連続安打も記録し、この試合までフルカウントの場面、走者一、二塁の場面でも打率4割という勝負強さを発揮していた。サヨナラ打はまさにその状況で、恐怖の5番打者が実力を証明。打率4割1分8厘でリーグ3位をキープした。
守備では4回に本塁スーパー送球で楽天・藤井選手を刺した。殊勲の長谷川選手を秋山幸二監督は「よく当たっているからな。調子のいいところで回ってくる」と持ち上げた。何より7回まで楽天・岩隈投手の前に無得点、敗戦ムードが漂っていた試合をうっちゃる粘り強さをみせた。「ワンチャンスをいかした感じだね。よく頑張ったよ」。連敗を2でストップ。今季最多3万1021人の観衆に、成長する新生ホークスの姿を示した。

 

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(提供:西部日刊スポーツ新聞社

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