2009/05/26 (火)

杉内投手、試合後、想定外のパンチが襲う!?

馬原投手の右手が偶然にも杉内投手の顔面にヒットしてしまう
馬原投手の右手が偶然にも杉内投手の顔面にヒットしてしまう

マンデー杉内だ!「ミスター・メイ」がもう1つの称号を手にした。杉内俊哉投手がヤクルト打線を7回5安打1失点に抑え、今季5勝目。5月はこれで12連勝に加え、月曜日の登板も7連勝とした。2回の打席ではプロ初打点も記録。杉内投手の投打にわたる活躍で、チームは今季初の5連勝で交流戦首位をがっちりキープした。
5月快投を続ける杉内投手を試合後、想定外のパンチが襲った。ベンチ前で仲間をハイタッチで迎え、馬原孝浩投手から今季5勝目のウイニングボールを受け取った次の瞬間、偶然にも守護神の右手が顔面をとらえた。思わず「イテッ」と声を上げたが、顔は笑ったまま。やはり5月男は当たっている。
2007年から負け知らず。元祖の秋山幸二監督から「ミスター・メイだね」と「後継者」に認められる左腕だ。1回。先頭の川島慶三選手に死球も宮本選手を二塁本多の好守もあって、併殺打。これでリズムに乗ると、24日初戦に先発した大隣憲司投手を参考に配球を工夫した。「ヤクルトはゴロが多い。スライダーを有効に使おうと」。打たせることを意識し、三振は今季最少タイの2。それでも21アウト中12個を内野ゴロで奪った。7回を散発5安打の1失点。今季初の中5日登板を首脳陣に配慮され、98球で降板。試合中盤に左ふくらはぎがつる悪癖対策として、今年は「お尻で走るイメージ」のランニングをしているとはいえ、余力を残していた。
5月は12連勝、月曜日は7連勝とデータがこの季節の好調ぶりを裏付ける。勢いに乗って?2回2死一、三塁では左前へポトンと落とし、今季投手陣の初安打。「一番好きな左投手」と公言する石川投手の外角スライダーに踏み込み、プロ初打点とした。秋山監督も「自分で打ったしな。あれが大きいよ」と投打にわたる活躍を褒めちぎった。
高山郁夫コーチが父日夫美さん(享年75)の秋田・大館市で本葬出席のため、ベンチ登録はされたが、試合は間に合わなかった。2回に田中選手の打球を左手にぶつけたが、杉内投手は「大丈夫です」と告げ、マウンドを守った。「僕で(連勝を)止める気はなかった。勝つんだという強い気持ちでいた」。緊張の糸が途切れた降板後、ベンチの隅で患部をアイシングする姿があった。投手コーチ「欠場」の事態を強い責任感で乗り切った。
チームは今季最多の5連勝で、交流戦首位を快走する。「チームとしていい雰囲気でできている。最後も抑えてくれたしね」。普段、口数の少ない秋山監督の声も弾む。試合後のヒーローインタビュー。杉内投手の耳にネット裏のファンから野太い声が届いた。「他の月も勝てー」。マイクを通して笑いながら「頑張ります」と返した。この男がいれば交流戦連覇、そしてリーグ戦でも十分巻き返せる。

 

関連リンク >
関連リンク >
関連リンク >
関連リンク >
関連リンク >

(提供:西部日刊スポーツ新聞社

一覧へ戻る
  1. トップ
  2. ニュース一覧
  3. 杉内投手、試合後、想定外のパンチが襲う!?