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球団4,500勝を飾りナインを出迎える秋山監督 |
強い!ホークスが首位攻防第1ラウンドを制した。秋山ホークスが、今季を象徴する「SBM勝利」で、日本ハムに強さを見せつけ球団創設通算4,500勝を飾った。7回表から攝津正投手、ファルケンボーグ投手、馬原孝浩投手の3救援陣を繰り出しての1点差逃げ切り。馬原投手は通算116セーブで、球団最多セーブ(ペドラザ投手の117)到達に王手をかけた。チームは今季最多の貯金16。2位日本ハムとは2.5差に突き放した。この勢いで、首位ロードを駆け抜ける。
ホークスの歴史を刻む大きな1勝を締めくくったのは、もちろん、守護神馬原投手だ。1点リードの9回表。2死二塁。日本ハム小谷野選手をフォークで空振り三振に仕留めると、力強くガッツポーズだ。球団通算4,500勝。背番号「14」が、節目白星をもたらした。
自らの区切りにも「M1」とした。今季16セーブ目で、通算セーブは116。99~02年に活躍したペドラザ投手のもつ球団記録117セーブ到達に王手をかけた。「チームの勝利しか考えていない。(個人記録は)まったく意識していない。そういうことは達成した後に喜べばいい」(馬原投手)。チームの勝敗に直結するポジションだけに、個人記録には一切見むきもしなかった。
だが、球団史上唯一の5年連続2ケタセーブをマークしている右腕らしい、フィニッシュでもあった。最後のフォークを投げる前、3度マウンドで首を振った。田上秀則選手の出したサインはフォークだったが、直前に3球連続でフォークを投げていたからだ。「的を絞らせたくなかった」と馬原投手。この日はスライダーを封印し、球速150km/h台を連発した直球とフォークの2球種だけでグイグイ押した。「気持ちでいった」(馬原投手)。渾身のフォークで1点のリードを守りきり、試合後は笑顔がはじけた。
1点を守り抜く―。まさに「秋山野球満開」だ。オーティズ選手の2ランで先制すると、先発大隣憲司投手が6回1失点と力投。終盤に入れば、攝津投手、ファルケンボーグ投手、馬原投手の「SBM」に託すだけ。1点差勝利は今季15度目。交流戦前は1点差ゲーム6勝8敗だったが、「SBM」が定着した交流戦突入後は9勝2敗。福岡に球団移転後、最長の42試合連敗なしが確定したのもうなずける。
日本ハムとの首位攻防第1ラウンドを必勝リレーで制し、秋山幸二監督も力強く言った。「(日本ハム先発の)藤井もよかったけれど、ウチのパターンで守りきった。後の3人が自分の仕事をきっちりできている。4,500勝? ピンとこないね」。目の前の1戦に集中する指揮官らしく、過去は振り返らなかった。貯金は今季最多の16。脳裏にあるのは、白星を積み上げることしか、ない。