 |
8回表無死、田中賢の一ゴロでベースカバーに走る攝津 |
スーパールーキー攝津正投手が、26ホールド目を挙げ、ついに新人最多記録(06年=ホークス藤岡投手)に並んだ。この日でホールドポイント(HP)も大台の30に到達。同じく藤岡好明投手が持つ新人記録まであと1とした。
「(記録は)あまり気にしないですけど、1つ1つ積み上げていった結果なのでうれしいです」。試合後しっかりとした口調でそう話すと、遠慮気味に笑顔をこぼした。
いつもながら文句のつけようのない投球で役割を全うした。故障のファルケンボーグ投手の不在にともない、前日20日同様、8回のマウンドへ。先頭の田中選手を緩いカーブで二ゴロ、続く金子選手を高めの直球で二飛に打ち取った。打席にはイースタン・リーグ26発の中田選手。145キロの直球で空振り三振、格の違いを見せつけた。1点しかリードのない場面で簡単に3人切り。この勢いに乗り、その裏味方がダルビッシュ投手を打ち崩し試合を決めた。首位との対戦にも「相手のことより自分の力を出すことが大事」と、完全な平常心で臨んでいた。
自身が目標にしていた「50試合登板」は軽くクリアし、この日は52試合目のマウンドだった。今季途中から、球場が最も盛り上がるシーンは「ピッチャー、攝津」とアナウンスされた瞬間だ。「(歓声は)聞こえるけど、試合に集中しないといけないので。うれしいし、その期待に応えられるようにしたい」と27歳右腕は照れた。
攝津投手の前後は水田章雄投手、馬原孝浩投手が無失点に抑えた。急造勝利の方程式「MSM」が前日同様に無失点救援。本来、攝津投手の仕事場である7回を任されている36歳水田投手は「ストレスでつぶされそう」と冗談めかしながらも本音を吐露。それでも1死三塁の大ピンチで、3番稲葉選手、4番高橋選手を打ち取った。攝津投手も「7回だろうが8回だろうが、任されたところでしっかり投げたい」。ファルケンボーグ投手離脱という危機で、救援陣が2戦連続無失点。首位とのゲーム差「5」がわずかな距離に見えてきた。