2010/04/25 (日)

小椋投手、プロ12年目で先発初勝利

小椋投手(中央)は先発で今季初勝利を挙げナインとハイタッチする
小椋投手(中央)は先発で今季初勝利を挙げナインとハイタッチする
8年ぶり先発で5回を投げ勝ち投手となった小椋投手
8年ぶり先発で5回を投げ勝ち投手となった小椋投手
救世主が誕生した。小椋真介投手が、実にプロ12年目で先発初勝利を挙げた。ロッテ戦(千葉マリン)に、8年ぶり3度目となる先発。5回2安打1失点と好投し、SBMのリレーを受け、中継ぎで挙げた08年以来の白星をつかんだ。先発ローテーションの谷間を埋めた左腕の好投で、チームは首位ロッテに連勝。チームは貯金を今季最多の3とし、6日ぶりの3位に浮上した。

12年分の笑顔が、はじけた。1点差の9回裏2死。小椋投手は顔をこわばらせ、三塁側ベンチで試合を見守っていた。一打出れば白星は消える-。だが、信じていた。馬原孝浩投手が最後の打者を打ち取った。待ちに待ったウイニングボールを守護神から受け取る。99年の入団以来、初めて先発としてつかんだ白星。シャイな12年目左腕が満面の笑みでナインからの祝福を受けた。

小椋投手「(ボールは)たぶん実家に送ります。5回で降りたけど、後のピッチャーが頑張ってくれた。チームが勝てばいいと思っていた。」

ラストチャンスかもしれなかった。だから、最初から全力だった。初回。先頭の西岡選手には、140km/hの直球で内角を突きまくった。最後はチェンジアップで空振り三振。「何としても、5回までは投げようと思っていた」。結局5回まで許した安打はわずかに2。4本柱以外の先発投手陣が結果を出せない中、巡ってきたチャンスに先発としての責任を見事に果たした。

長かった。97年夏の甲子園に福岡工大付(現福岡工大城東)の2年生エースとして出場。左腕から繰り出す140km/h超の直球は、松坂世代でNO.1左腕の評価だった。99年にダイエー(当時)入団。だが、左ひじ手術など故障に見舞われ、08年に中継ぎとしてプロ初勝利を挙げるまでに10年もかかった。さらにそれから2年後の先発初白星。「先発で回ってくるとは思ってなかったんで…」。試合後そう話した時、左腕の目は潤んだ。

10年以上結果を出せなかったが、昨秋から目の色が変わった。高山郁夫投手コーチに「先発の準備もしておくように」と言われた。オフ返上で今季にかけた。昨年12月から1月にかけ、西戸崎室内練習場で投げ込みを続行。親指の皮がむけても投げ続け、血染めの球を投げた日もあった。キャンプ初日もチーム最多の101球の投げ込み。だがその影響もあってか、へんとう炎で離脱しローテ争いから早々に脱落したが、あきらめることなく再チャンスを待った。「秋からやってきてよかった」。野球の神様は見捨てなかった。

チームは今季初めて貯金を3とし、3位に浮上した。秋山幸二監督も「ひとつ勝ったことで(小椋)真介は、これから期待できるんじゃないか」と喜んだ。首脳陣は次回以降も先発させる方針。「松坂世代NO.1左腕」が、今までの遅れを取り戻すのはこれから。背番号11が、ホークスを浮上させる。
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(提供:日刊スポーツ新聞西日本

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