2010/05/09 (日)

杉内投手、ハーラーダービー独走の7勝目を挙げる

2回表1死一、三塁、平尾選手を投ゴロに仕留める杉内投手
2回表1死一、三塁、平尾選手を投ゴロに仕留める杉内投手
「ミスターメイ」は今年も健在だ!杉内俊哉投手が、ハーラーダービー独走の7勝目を挙げた。西武を相手に6回まで8安打を浴びたものの、粘りの投球で1失点。07年シーズンから続けている5月の自身連勝を「13」に伸ばした。5月は過去3度も月間MVPを受賞。今季初登板でも白星を挙げ“元祖ミスターメイ”秋山幸二監督を喜ばせた。首位ロッテとは0.5ゲーム差の2位。交流戦前最後となる今日9日の西武戦も制して「5月男」を中心に3連覇を狙う交流戦に挑む。

エースの意地か、はたまた「5月」の力か。いずれにせよ杉内投手が、ハーラー独走の7勝目を手にした。

負けてもおかしくなかった。2点リードの2回表1死一、三塁。1点は覚悟の場面で、7番平尾選手を投ゴロに打ち取った。捕球した杉内投手は1-6-3の併殺を狙い、素早く反転。だが、一塁走者の高山選手は投球と同時にスタートを切っていた。「間に合わない」。冷静な判断で再び反転し、ホームへ送球。三塁走者の中村選手を三本間に挟みアウトにした。

杉内投手「(高山が)走った!」という声と「ホーム!」という声が聞こえた。僕はゲッツーだと思ったけど、間に合わないと判断してホームに投げた。

自身の冷静さでこの回を無失点にしのいだが、試練はまだまだ続く。3回表は1死満塁。ここで4番中村選手が放った打球は、二塁後方への痛烈なハーフライナー。同点を覚悟した瞬間、二塁手の本多雄一選手が背走しながらのダイビングキャッチで打球をグラブに収めた。「野手のみんなが守ってくれた。(本多は)後輩だしね」。高校(鹿児島実)の後輩のビッグプレーもあり、この回も無失点で切り抜けた。

「勝つ」ことこそが、エースの役割だと信じている。1点を失った5回にも、直後の満塁機をしのいだ。「調子がいい悪いじゃない。あそこ(マウンド)に上がったらチームが勝つことだけを考える」。結局6イニング中4度も三塁に走者を背負いながら、最少失点で味方にもらったリードを守ってみせた。

これで5月は、07年から4シーズン負けなしの13連勝。05、07、08年には月間MVPも受賞している。「何でだろうね。たまたま勝っているだけだと思う」と本人すら理由は分からないが、現役時代に「ミスターメイ」と呼ばれた秋山監督をもしのぐ活躍ぶりだ。その指揮官も「状態は良くなかったし、バランスも悪かった。それでもよく粘ったし踏ん張ったよ」と継承者を褒めたたえた。

「ミスターメイ」の異名も定着し始めたが、実は本当に大好きな季節は真夏だという。「子供のころを思い出すからね」。暑くなればなるほど、炎天下で白球を追って砂ぼこりにまみれた少年時代の記憶がよみがえり、気分が高まる。ピークはまだまだ先。「30歳までに100勝」という大目標のために掲げた、今季の目標「21勝」の3分の1はクリアした。気温の上昇とともに、エースはいよいよ勢いを増していく。
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(提供:日刊スポーツ新聞西日本

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