 |
バギーに乗ってライトスタンドに向かう松中選手 |
松中信彦選手が2試合連続のV打で価値ある白星を呼び込んだ。1回表2死二塁。巨人東野投手の高め直球を先制の中前適時打だ。「いい感じでいけた。特打して、すぐにはモノにできないけれど、少しずつできつつある」。前日の練習で秋山幸二監督の助言を受けるなど微調整していたが、すぐに結果を残し、チームに3連勝をもたらした。
戦う姿勢を見せたかった人がいた。お立ち台でバックネット裏に向かって、松中選手は手を振った。難病の子供を招待するキッズボックスに、この日も1人招待していた。「重い病気の子がいたので。彼も病気と戦っている」。試合後、すぐに足を運ぶと、決勝打を放ったバットと手袋、リストバンドをプレゼント。「最高の日になってよかった」。笑顔を浮かべた。
交流戦V逸でも松中選手はファイティングポーズを崩さない。「リーグ優勝を目指している。7、8、9月にどれだけ戦えるか。打線が線になれるか。6月はその形をつくるもの」。前日には福岡市内の飲食店で同僚オーティズ選手のバースデーパーティーを開き、仲間との結束を深めたばかり。歓喜のフィニッシュへ、照準を定めている。
相手ベンチから学んだこともある。9回表。巨人ベンチを見ると、選手が総立ちで応援していた。「見習うべきところが多い。あーいうのを若い選手が感じとってくれれば」。自らは9回表からベンチに退いていたが、最前列に立って、戦っているチームメートを励まそうと声を出し続けた。右ひざ痛は完治していないが、3回の攻撃では、一塁走者として多村仁志選手の三塁内野安打で三塁に激走。果敢にスライディングもした。リーグVを目指し、松中選手が戦い続ける。