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観客席に手を振って勝利の喜びをファンと分かち合うソフトバンクの孫正義オーナー |
ソフトバンクが敵地ジャックに成功した。ソフトバンク創業30周年記念事業の一環としてグループ社員1万人を送り込んだ東京ドームでの日本ハム戦でナインが奮起。多村仁志選手が4番初の猛打賞をマークすれば、松中信彦選手が豪快な6号3ラン。16安打12得点の打線爆発にエース杉内俊哉投手も完封と投打で日本ハムを圧倒。孫正義オーナーの号令に乗って、ホークスが勢いを取り戻しそうな気配だ。
まるで本拠地のような光景だった。5回の守備中。それまで貴賓室で試合を見ていた孫オーナーが、突然スタンドに現れた。リードを4点に広げた高揚感があったのかもしれない。「なかなか社員と直接触れあう機会がないので」。握手をして回る孫オーナーの周りはあっという間に人だかりとなり、観客席はお祭り騒ぎ。球団トップがグラウンド近くへ降りてきたゲキ?の効果は、直後6回の攻撃ですぐに実を結んだ。
2死から川崎宗則選手が三塁打で猛攻の幕を開けた。3番オーティズ選手から6番松中選手まで4連打だ。2死二塁から4番多村選手が左翼線へのタイムリーを放てば、6番松中選手は右翼最上階席へと豪快な6号3ラン。多村選手は1、5回にもヒットを放っており、4番打者としては初の猛打賞をマークした。松中選手は6月23日以来の1発。新旧の4番打者が打てば、打線爆発も当然だった。
16安打12得点の快勝。5勝9敗1分だったリーグ戦再開後15試合で、1試合平均9安打に沈んでいたのがウソのように、打線が息を吹き返した。
ソフトバンク創業30周年の記念事業として、日本武道館で社員大会を行った後、東京ドームに社員1万人を送り込むイベント初日に当たっていた。今後30年のビジョンを孫オーナーが語った後は、配布された応援グッズを手に社員が敵地に集結。三塁側スタンドはホークスのビジターユニホーム姿の社員が陣取るジャックぶりだった。社員大会ではCMキャラクターのSMAPが登場するサプライズが用意されていたが、ホークスナインも国民的グループに負けじと大勝をプレゼントした。
孫オーナー「最高ですね。今日のこの熱気を後半戦にも、ぶつけてほしい。」
秋山幸二監督も「今日は何人来たの?1万人?すごいねえ」と弾みをつけた大応援団に感謝しきり。今カードを終えれば、開幕から4番として活躍してきた主将小久保裕紀選手復帰が決まっており、打線の厚みが増すのは間違いない。孫オーナーが企画したビッグイベントが、ホークスの首位追撃の追風になりそうだ。