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7回に4失点し、うなだれながらベンチに下がる攝津投手 |
日本ハムに痛い逆転負けを喫した。1点リードの7回裏に、セットアッパー攝津正投手が、自己ワーストの4失点。必勝リレーが崩れ、首位西武とのゲーム差は4に広がった。球審の判定に秋山幸二監督は不満をあらわにするなど、敵地東京ドームにソフトバンクグループ社員1万人が送り込まれたイベント最終日は、何とも後味の悪い敗戦になった。
三塁側ベンチから続く東京ドームの通路には試合後、悔しさとやり場のない怒りが充満していた。秋山監督がこぼした。「(勝ち)パターンでやられると痛い。今日は久々に悔しいね」。まさかの逆転負け。セットアッパー攝津投手を送り込んだ7回裏、勝利の方程式で誤答が導き出されてしまった。
首脳陣は1点リードで先発小椋真介投手から攝津投手にスイッチ。だが、攝津投手は先頭の糸井選手に中前安打されると、代打坪井選手に死球。7番陽は見逃し三振に斬ったが、そこから4連打を食らっての4失点。日本ハム打線の波状攻撃に飲まれ、5月18日阪神戦以来の2敗目、パ・リーグ相手は初となった。攝津投手はプロ2年目で通算110試合目のマウンドだが、5安打されるのも初めてなら、4失点も自己ワースト。炎上した右腕は「申し訳ない。最悪です」と声を振り絞った。
ただ“不運”もあった。坪井選手への死球は、右肩口への投球。ユニフォームにかすったという坪井選手のアピールによってみなされたものだった。ホークス側は川口球審が最初から死球と判定しなかったことに不満を隠すことはなかった。抗議に飛び出した秋山監督は「(球審が)自分で当たったと思うなら(アピールを受けてからでなく)先に言えよ」。大石大二郎ヘッドコーチも「おかしいでしょ。当たったと言われて、そうなるのだったら、みんなそう(アピール)するでしょ」と納得できない様子だ。
敵地東京ドームジャックのイベント最終日で試合は暗転。12得点と打線が爆発した前日に続き、ソフトバンクグループ社員1万人が応援団として送り込まれていた。孫オーナーも日本武道館での社員大会出席後に試合観戦したが、無言で球場を後にした。昼間に都内ホテルで開催されたオーナー会議に出席した笠井オーナー代行がこぼした「たくさん点を取った翌日は、ろくなことがない」との冗談が、現実のものとなってしまった。
8日の日本ハム先発は武田勝投手。前回対戦でプロ初完封勝利をプレゼントし、今季対戦防御率0.44に抑えられているサウスポーだ。4位日本ハムとは2.5ゲーム差。苦手左腕にリベンジすれば、チームを包んだ重苦しいムードは一掃されるはずだ。