 |
1軍に復帰し、笑顔でグラウンドに現れた小久保選手 |
 |
1軍に復帰し、練習前の円陣で川崎選手に紹介される小久保選手(左端) |
ホークスの主将小久保裕紀選手が、合流即「決起集会」を行う異例の行動に出た。首痛による影響で左大胸筋と左三頭筋(上腕後部)の筋力が落ち、2軍調整を続けていたが1軍合流を果たした9日、早速ナインに結束を呼びかけた。3カード連続負け越し中のチームにとって待望のキャプテン復帰。10日ロッテ戦(ヤフードーム)では4番一塁出場が濃厚で、チームに頼もしい男が帰ってくる。
普段は見られない光景の中心にいたのは、日焼けした小久保選手だった。通常の試合時は投手と野手が時差練習のため、開始時に一緒になることはない。だが、この日は本拠地ヤフードームでの全体練習。そのスタート時、外野グラウンドに選手が集まり、円を作った。選手会長川崎宗則選手から合流が紹介され、あいさつに立ったキャプテンはナインに結束を訴えた。
小久保選手「今日からよろしく。オールスターまで11試合ある。9連戦もある。まずは、その11試合をみんなで頑張ろう!」
グラウンド上で即席の決起集会が行われた。チームはリーグ戦再開後、6カードのうち5カードで負け越し、今も3カード連続負け越し中。「いい風を吹き込めればいい」。帰ってきたばかりの背番号9が苦境にあるチームへ、いきなり強い存在感を示すメッセージを送った。
太陽の光を浴びて焼けた肌と白い歯のコントラストが、苦しんだ2軍での1カ月を物語る。6月2日に出場選手登録を抹消された。神経の伝達に障害が出て、左大胸筋と左三頭筋の力が入らなくなった。検査した病院でも過去3例しかなかったレアケース。3週間のリハビリ期間を経て、故障後初めてバットを握ったのが先月22日。その後、調整のペースを上げ、3試合2軍戦出場で1本塁打を含む8打数3安打。「30度の炎天下の中で野球をやったのは、大学以来ちゃうか。あれ以上、暑いところないやろ」。準備は整った。
リニューアルした打撃も披露する。今季は上体を深めにひねる打法だったが、この日はリラックスした状態で打撃練習する姿があった。「意識はしていない。そのときのフィーリングでやっているから」と本人は無意識のようだが、それでも、本拠で41スイングのうち7本のサク越えとパワーは健在だ。
小久保選手「(緊張感は)もちろん違う。ファームで試合の前の日も緊張はあった。結果が出るところに立つのだから。やっと野球ができる体になった。野球がやれる喜びを感じられるようになったよ。」
10日、頼もしい主将小久保選手が「戦場」に戻ってくる。