2010/07/19 (月)

陽投手、先発初勝利を挙げる

先発初勝利をあげ、ファンの声援にこたえる陽投手
先発初勝利をあげ、ファンの声援にこたえる陽投手
5回を投げ2失点、今季初勝利をつかんだ陽投手
5回を投げ2失点、今季初勝利をつかんだ陽投手
5年目の陽耀勲投手が先発初勝利を挙げた。毎回走者を背負いながら、5回を6安打2失点。2年ぶりの先発チャンスを生かし、中継ぎでプロ初勝利を挙げた08年7月27日ロッテ戦以来、721日ぶりの白星をつかんだ。先発ローテの谷間を埋める活躍で、後半戦の先発スタッフ入りをアピールした。

京セラドームに、たどたどしい日本語がこだました。「アリガトウゴザイマス」。初めてのヒーローインタビューで慣れていないせいか、陽投手はガムをかんだまま喜びを口にした。台湾から来日して5年目で、ようやくつかんだ先発初白星。マナーを忘れてしまうほどうれしかった。

慎重さと大胆さを使い分けた。かつて155km/hを計測したこともある直球は、140km/h台中盤がほとんど。持ち味を殺してでも、課題の制球を重視した。1回に連打を浴び1死二、三塁で打席にはカブレラ選手。「絶対に打たせたくなかった」。カウント2-2から持てる力を解放した。歯を食いしばって投じた直球は、この日最速の150km/h。力勝負で空振り三振に仕留め、続くT-岡田選手も146km/h直球で一邪飛に抑えた。

2年前の悪夢を乗り越えた。08年7月29日の日本ハム戦でのプロ初先発。犠打による1アウトしか取れず、1/3回無安打4四死球4失点で降板した。「ブルペンと全然違うフォームだった」。緊張で自分を見失い、ベンチで唇をかんだ。あれから2年。毎回、走者を背負いながらも「平常心で投げられた」と胸を張った。

やっと故郷へ朗報を届けられた。入団時には台湾の英雄でもある王監督から「天性の才能を感じさせる」と期待されたが、07年に左足首を2度骨折するなど故障に悩まされた。つらい日々で励まされたのが「努力」の2文字。幼いころから父徳興さんに言い聞かされた「スポーツ選手が成功するには練習に練習を重ねるしかない」という言葉は、脳裏を離れなかった。昨季終了後は台湾へ帰らず、福岡に残り“独りぼっち”で汗を流した。オフを満喫する時間などなかった。「ウイニングボールは宝物にしたい」。両親には「お待たせしました」と伝える。

夢はさらに広がる。弟の日本ハム陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)選手との兄弟対決に「早く実現させたい」と胸を高鳴らせる。先発枠争いだけでなく外国人枠争いも厳しいが、負けるつもりはない。「与えられた機会にしっかりした投球をしたい」。異国の地に「陽耀勲」の名をとどろかせる。
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(提供:日刊スポーツ新聞西日本

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