 |
6回表2死二塁、小久保選手は中前に勝ち越しの適時打を放つ |
 |
7回表2死、左中間にソロ本塁打を放った松田選手は雄たけびを上げながら三塁を回る |
天敵撃破で、4連勝だ!小久保裕紀選手が、苦手のオリックス近藤一樹投手を粉砕した。6回、同点に追いつきなお2死二塁の場面で、中前へ決勝打となる勝ち越し適時打。通算勝利の半分に相当する12勝を献上している右腕を攻略し、今季4度目の4連勝を飾った。2位をがっちりキープし勢いに乗ったチームは、19日から本拠地で首位西武を追い詰める。
気持ちだけで、打った。天敵を攻めたて、同点に追いついた6回表。なおも2死二塁で、打席の小久保選手は極限にまで集中力を高めていた。「形なんてどうでもええから打ったろ、という気持ちでした」。オリックス近藤投手の投じた4球目。140km/hの低め直球に食らいつくようにバットを出すと、打球はフラフラと中前へ落ちた。意地の勝ち越し適時打で、天敵を粉砕した。
これ以上、やられるわけにいかなかった。近藤投手とは今季、この日の第2打席まで11打席無安打。チームも、通算24勝のうち半分の12勝を献上していた。1週間前には岡田監督に「ソフトバンクと思って投げえ」とささやかれた近藤投手が、日本ハム戦で4勝目を挙げる屈辱的な出来事もあった。何が何でも倒す-。チームの思いを、主将が泥臭いヒットに乗せた。
6日の1軍復帰から、これで7試合連続安打だ。2軍でのリハビリ中、ダイエー時代にともに汗を流した同い年の鳥越裕介2軍監督に大きな刺激を受けた。雁の巣球場で、声を出さない若手選手を厳しく怒鳴りつける熱血指導を目にした。「刺激になった」。感心するだけでは終わらせない。1軍復帰後は、ベンチで声を出していなかった若手選手をしかりつけ、勝利への執念を植え付けた。
言葉だけでなく、姿勢と結果で、チーム一丸で戦う大切さを示し続ける。試合後は開口一番「今日はヤオシュン(陽)がよく頑張った。今日の勝ちは大きいよ」。プロ2度目の先発だった陽耀勲投手を、全員でもり立てつかんだ1勝の価値を口にした。
主将の一打は7回の松田宣浩選手のダメ押しソロも呼び込んだ。天敵を粉砕し、チームは今季4度目の4連勝。秋山幸二監督も「少ないチャンスをものにしたな」と、打線の集中力をほめたたえた。がっちりと2位をキープし、19日からは本拠地で首位西武との3連戦。小久保選手が引っ張るホークスが、一丸となって獅子に襲いかかる。