 |
延長11回裏1死一塁、ペタジーニ選手は右越えにサヨナラの2点本塁打を放ちバンザイして一塁に向かう |
 |
延長11回裏1死一塁、ペタジーニ選手は右越えにサヨナラ2点本塁打を放つ |
 |
延長11回裏1死一塁、サヨナラ本塁打を放ったペタジーニ選手を歓喜の輪で迎える選手ら |
 |
サヨナラ本塁打を放ったペタジーニ選手はお立ち台でファンの声援に応える |
歓喜の前半戦フィニッシュだ。首位西武とのライバル対決第3ラウンドは4-4で延長戦に突入。11回にペタジーニ選手がサヨナラ2ランでケリをつけた。チームは3年ぶりの7連勝で、今季最多タイの貯金11。西武に0.5ゲーム差と肉薄し、後半戦開幕と同時に首位浮上を狙う。
打った瞬間に最高のエンディングを確信した。ペタジーニ選手が、ゆっくりと一塁へ歩き出す。対照的にベンチからはナインが一斉に飛び出してきた。延長11回、1死一塁。死闘にケリをつけた。右翼席へ弾丸ライナーの5号2ランは、今季2度目のサヨナラアーチ。本塁まで感激を味わうように歩を進めると、ナインの手荒い祝福に身をゆだねた。
ペタジーニ選手「チームが勝って最高だ。シンプルに球を強くたたくことだけ考えた。バットを振らないと何も始まらない。バットを振ることを考えた。」
日本球界228本目。また1つ歴史に名を刻んだ。ホークス球団にとって2リーグ制以降、通算100本目のサヨナラアーチ。王手をかけたのも6月9日にサヨナラ弾を放ったペタジーニ選手だったが、メモリアル弾も自らが記録してみせた。
39歳の年齢に加え、左ひざ痛の持病を持つが、技術とパワーは群を抜く。手にするバットのグリップは極細タイプ。一方で、ミートポイント直径64mmのバット先端部の太さはチームトップ。「野球に年齢は関係ない」。10年以上前のメジャー時代から変わらぬスタイルを貫くのも、自らの打撃技術への自信を物語る。
松中信彦選手とのDH併用が続くが、「すべてはチームが勝つことが大事。松中さんも自分も勝つためにDHを任せられている」と言い切る。フォア・ザ・チームの精神と、ここ一番での集中力は他のナインも同じだった。今季初のSBMフル複数イニング登板、主将小久保裕紀選手は何度も好守でピンチを未然に救った。秋山幸二監督が手応えをつかまないはずがない。「9連戦(1試合は降雨中止)の中で、いい形でこれた。後半戦もこの形で入っていけばいい」と、試合後の会見場でうなずきながらコメントしたほどだ。
3年ぶりの7連勝で前半戦を終えた。貯金は今季最多11に戻った。何より、首位西武とは0.5ゲーム差だ。「鷹の祭典」で真っ赤に染まったスタンドにちなみ、秋山監督は言った。「赤いファンがいいね。ずっと着て、球場に来てもらいたいね。(鷹の祭典の)この3試合、応援の力が伝わってきたよ」。イベントはこの日で終わり、球宴を挟むが、変らないものがある。優勝へ、真っ赤に燃えるハートが、それだ。