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先発の和田投手 |
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2回裏1死一、三塁、左中間越え3点本塁打を放った田上選手は笑顔で和田投手らナインとハイタッチする |
不調でも、悔しさがこみあげる結果でも、勝てる。ハーラー単独トップの13勝目を手にした和田毅投手に、会心の笑みはなかった。「チーム一丸となって点をとってもらって本当に感謝してます。先発として5回までしか投げていないのはちょっと。本来なら長い回を投げるべきなのに…。悔しさがあります。野手の方に点をとってもらったことに感謝してます」。楽天を相手に5回6安打2失点。反省の弁が口をついたが、しっかりと責任投球回は乗り切った。
制球に苦しんだ。初回に2四球。変化球は抜け、直球も狙ったところに定まらなかった。それでも、無死一塁で嶋の送りバントを、自らの好フィールディングで併殺とするなどポテンシャルをフルに発揮。味方が4点を奪った直後の3回には、3者連続三振。23日の球宴第1戦登板から中4日でのマウンドでも、勝利を呼ぶツボは押さえていた。
小さな配慮の積み重ねが、勝利の女神をほほえませているのかもしれない。球宴期間中にはチームスタッフとの食事会を催し、日ごろの感謝を行動で示した。前日27日の熊本での後半戦開幕には移動の疲労を避けるため帯同せず、本拠地福岡に居残る万全策をとった。これで7月は4試合に登板し、無傷の3勝。勝負の後半戦。背番号21の存在感は、もっと、増していくはずだ。