まさに小さな大投手ダ!
森福允彦投手の投じた「魂の11球」がホークスを勝利に導きました。
11月16日(水)のコナミ日本シリーズ2011第4戦。前日に続いてこの日も初回に先制。1死一、三塁のチャンスから4番・小久保裕紀選手がライト前へタイムリーを放ち1点を奪うと、続く松田宣浩選手の内野ゴロが相手のミスを誘っていきなり2点のリードを奪いました。しかし、その後ゲームはこう着状態。先発のホールトン投手は粘りの投球を見せていましたが、5回に1点を失います。
そして2対1とリードして迎えた6回表。シリーズ史に残る熱投が生まれました。
追い上げられる嫌なムードの中、ホールトン投手がまさかの無死満塁のピンチを作ってしまいます。ここで秋山幸二監督が交代を決断。送りだしたのは森福投手でした。
「森福は経験をかなりしてきた。あのような場面で投げてきた」(秋山監督)
秋山監督の言葉で真っ先に思い出したのが、森福投手がプロ初勝利をマークした昨年8月27日のマリーンズ戦(ヤフードーム)です。1死満塁で対するは強打者の井口選手と金泰均選手。「逃げる気持ちがあったら打たれる。以前の自分はそうだった。でも、今は違う」と強い気持ちで井口選手からは空振り三振、金選手をシュートで二塁ゴロに仕留めました。その頃にブレイクを果たし、今季はチーム最多の60試合に登板。防御率1.13と抜群の安定感を発揮して、「勝利の方程式」に欠かせない存在となりました。
そしてあの無死満塁――「気持ちだけ。集中して、強気に投げ込みました」。
最初の打者、代打・小池選手を1ボール2ストライクから空振り三振。続く平田選手は2球でレフトフライ。詰まった打球でしたが、内川聖一選手が猛チャージして見事スライディングキャッチに成功しました。最後の谷繁選手は5球目の外角球でショートゴロに打ち取り、ホークスベンチからも大きな声が上がりました。
「細川さんのキャッチャーミットをめがけて投げただけ。感謝しています」
次の回もマウンドに上がりきっちり3者凡退。そして8回からの2イニングはファルケンボーグ投手が投げきりました。
「厳しい試合だったが勝ちにこだわった野球が出来た。森福もファルケンボーグも普段どおりの実力を出してくれた」(秋山監督)
敵地での連勝でコナミ日本シリーズ2011は2勝2敗のタイとしました。第5戦を勝って、日本一に王手をかけて福岡に戻るんダ!