新垣渚投手 ヒーローインタビュー
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この瞬間を待っていた。
「お立ち台に立って、その後ファンのみんなとハイタッチをして…。懐かしいな。昔やっていたな、と。これからもずっと出来るように頑張ります」
4月1日(日)のバファローズ戦(ヤフードーム)は、新垣渚投手復活の日となりました――。「緊張はしました。でも、楽しんで投げようと思いました」。かつてのイメージとは違う「脱力」をテーマにした投球。入団2年目の04年には最多奪三振のタイトルも獲得した右腕ですが、「コーナーをついて打たせてとる」という新しいスタイルで相手打線を翻ろうしていきました。初回からゼロを並べ続け、9回2アウトで、惜しくも完封は逃してしまいましたが、見事完投勝利。08年10月6日以来、1273日ぶりの勝利を手にしました。
キャンプ、オープン戦と必死のアピールを続けて掴みとった開幕ローテ。一軍のマウンドに立つのもじつに3年ぶりでした。右肩痛に苦しめられた長い日々を乗り越えて、この日を迎えたのです。
「3年前の誕生日に先発してKOをくらって…。こんなに投げられない期間が来るとは思わなかった」
一軍マウンドが遠ざかり、心の中に生まれたのは疎外感。「昨年のぶっちぎりの優勝も、自分としては悔しい思いもあった…」とぽつりと本音ももらしました。
心が折れそうになった時、支えてくれたのは妻と一昨年8月に生まれた娘。「娘が何事にも必死に頑張って、そうやって成長する姿を見ていると、自分の考えていることなんてちっぽけなのかもしれないと考えるようになった。それでリラックスできるようになりましたね」。新垣投手のグラブには「感謝」の2文字が刺しゅうされています。
その思いが胸に込み上げ、お立ち台では涙が止まらなくなった新垣投手。「泣かないと決めてたのにな(苦笑)。恥ずかしい」。その顔にはトレードマークのえくぼがくっきりと…。いつもの「渚スマイル」もここに戻って来ました。
2012年4月2日掲載
田尻 耕太郎(ホークスオフィシャルメディア)
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