2012/09/09 (日)
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「伝説の鉄腕」越えからの進化。藤岡投手が「左キラー」へと変身したワケ

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ヒーローインタビュー
藤岡投手、明石選手

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かつて伝説の「鉄腕」を越え、ホークス中継ぎ陣の中心的存在だった右腕。プロ7年目の藤岡好明投手。ここ数年は不振で苦しみましたが、今季は防御率1点台前半と好調をキープ。そして、9月8日(土)のマリーンズ戦(ヤフードーム)では「いつ以来か覚えてないですね」という久々のお立ち台に立ちました。

VVグリーンのパワーで2連勝だ。この日は先発の陽耀勲投手が自己最多タイの10三振を奪う力投で7回途中を1失点、打っては明石健志選手の2試合連続タイムリー三塁打などで得点を重ねて3対1で快勝しました。

ただ、大きなピンチが終盤7回表にありました。それまで3対0と快調でしたが、陽投手が突然乱れて二塁打と四球でピンチを作ると、相手8番打者にまで二塁打を浴びて1失点。2点差に迫られてなおも1死二、三塁と一打同点。ここで藤岡投手へと「勝利のバトン」が手渡されたのです。

しかし、野球のセオリーでいえば、非常に難しい場面でした。マリーンズは左打者が続く打順。右サイドスローの藤岡投手の球筋は、左打者には特に見えやすいのです。「僕にとっては左打者を抑えることがずっと課題でした」。藤岡投手のここ数年の不振は、左打者対策に苦しんだ結果でもありました。

だが、この日の藤岡投手は違いました。1人目に対した岡田選手にはボール球が2つ続きましたが冷静さは失わず、3球目のストレートを打たせて一ゴロ。続く根元選手にはカーブ、スライダー、シンカーと多彩な球種を投げ込んでカウントを作り、最後は真っ直ぐでまたも一ゴロに仕留めました。この最大の危機で追加点を許さなかったことが勝利に大きく繋がったのです。

今シーズンの藤岡投手は、右打者への被打率が.250(60打数15安打)なのに対して、左打者への被打率は.140(43打数6安打)。「左キラー」へと変身を遂げているのです。その手応えは本人の中でもばっちり。秘訣を尋ねると「まだシーズンが残っているので言えませんよ」と笑顔ではぐらかされましたが、「今はいろいろな球種で勝負ができているし、今日は今日の攻め方、次はまた違うパターンと、いろいろな攻め方ができている」と〝進化″の秘密の一部を話してくれました。

また、今シーズンから特に意識しているのは、スタンドからの声援です。マウンドに上がると、まずはスタンドを見渡すのが新しいルーティンとなっています。

「ファンの人たちの声援が僕に力を与えてくれる。『気』じゃないですが、今年はそれを特に強く意識しています。この人たちのために僕は頑張るんだ、と」

プロ1年目には62試合に登板して稲尾和久投手(元西鉄ライオンズ)の新人投手登板記録を塗り替えたこともありました。「昨年の優勝には貢献できなかった。だから今年は自分が貢献した優勝を経験したいんです」。笑顔の中にも溢れんばかり闘志を胸に、背番号40が輝きの投球をこれからも見せます。

2012年9月9日掲載
田尻 耕太郎(ホークスオフィシャルメディア)

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