2月22日(金)の宮崎春季キャンプ最終クール3日目。今日のA組は実戦を行わず、午前中はシートノックをはじめ「重盗防止」「1か所ランダウンプレー(挟殺プレー)」などを行い、<1点を与えない野球>を徹底的に体と頭に叩き込みました。また、ブルペンでは寺原隼人投手が100球を超える投げ込み。前日の紅白戦で先発したものの3回3失点と苦しみ、課題を持ってピッチングに取り組みました。
午後12時半からはアイビースタジアムすぐ隣の生目の杜第2球場で、ホークスB組と社会人・東京ガスの練習試合が行われました。試合は接戦となり、7回終了時点でホークスB組が0対2と劣勢でしたが、8回裏に1点を返すと、9回裏に劇的な逆転サヨナラ。3対2でホークス今季初めての対外試合に勝利しました。試合を決めたのは2年目の白根尚貴選手でした。
「プロに入って初めての試合。打席に立つのも、高校3年夏の甲子園以来でした」
昨年のプロ入りすぐに右肘の故障が判明。手術をして、リハビリだけに費やしたルーキーイヤーとなりました。「日常生活もままならず、野球をやめようと思ったこともありました」と弱気にもなりました。しかし、地道な努力が実を結び、このキャンプでは通常メニューでチームメイトともに汗を流し、この日の試合ではベンチ入り。9回の守備から一塁手として出場していました。
「試合に出られたことが嬉しかった。グラウンドに立てて、リハビリをやってきてよかったと思うことが出来ました」
サヨナラヒットは、白根選手への野球の神様からのプレゼントだったのかもしれません。2死二、三塁。2ボール1ストライクからの4球目。プロ野球選手になって初めてのバットスイング――バットを折りながらも打球はレフト前へ抜けていきました。
「今日、やっとみんなと同じ地点に立つことが出来ました。まずは実戦経験を積んで、三軍から二軍に上がり、そして一軍を目指したい」
試合後、折れたバットを手にもったまま話してくれた白根選手。取材が終わると、キャンプ地に来ていた母親にそのバットを手渡していました。高校通算40本塁打のパワーが魅力の大砲候補。スタートこそ出遅れましたが、勝負はまだこれからです。
※天気:晴 14℃ 来場者:6,200人
2013年2月22日掲載
田尻 耕太郎(ホークスオフィシャルメディア)
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