チームビルディングに向けたワークショップの効果と設計・実施の方法

リモートワークの普及や働き方の多様化が進む現代において、組織の生産性を高める“チーム力”の強化は、企業にとって喫緊の課題です。その解決策として注目されているのが、信頼関係と一体感を育む“チームビルディングのためのワークショップ”です。
本記事では、チームビルディング(※)に向けたワークショップの意味と、ワークショップを通じて得られる効果、そして成果を最大化するための設計・実施方法について解説します。
※チームビルディングとは、チームとしての協力関係や信頼関係を築き、成果を最大化するための取り組みのこと。
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チームビルディングのためのワークショップとは
チームビルディングのためのワークショップは、メンバー間の信頼関係を深め、円滑なコミュニケーションと協働を促すことを目的とした体験型の研修プログラムです。座学ではなく、課題解決ゲームやディスカッション、共同作業などのアクティビティを通じて、互いの個性や強みを理解し、心理的安全性を高めることを目指します。
このアプローチは、心理学者ブルース・W・タックマンが提唱した『タックマンモデル』の理論に基づいています。特にチームが停滞しやすい「混乱期」を乗り越え、「統一期」への移行を促すための実践的な手段として有効です。
▼タックマンモデルの段階
段階 | 詳細 |
1.形成期(Forming) | メンバーが集まり、チームの目的や役割を理解し始める時期 |
2.混乱期(Storming) | 意見の対立や役割の不明確さが生じる時期 |
3.統一期(Norming) | ルールや信頼関係が形成され、協力体制が整う時期 |
4.機能期(Performing) | メンバーが自律的に行動し、高いパフォーマンスを発揮する時期 |
5.散会期(Adjourning) | プロジェクトの完了や目的達成を経てチームが解散する時期 |
職種や役職を超えた人間的な関係を築くことで、建設的な意見交換が生まれ、チーム全体のパフォーマンス向上につながります。変化の激しい現代において、組織力を高めるための有効な施策の一つといえます。
ワークショップで期待できる効果
チームビルディングのためのワークショップは、従業員満足度の向上にとどまらず、組織の生産性と持続的成長に直結する多様な効果が期待できます。
①メンバー間の信頼関係構築
1つ目は、メンバー間の信頼関係が構築されることです。
ワークショップは、日常業務では得にくい人柄を知る機会です。非日常的な環境やゲーム形式のアクティビティを通じて、参加者はリラックスし、自然なコミュニケーションが生まれます。
その結果、「この人になら任せられる」「困ったときに支えてくれる」といった確信が育ち、チーム内の心理的安全性が高まります。心理的に安心できる環境は、自由な発言や新しい挑戦を促し、イノベーションの基盤となります。
②チーム内のコミュニケーション活性化
2つ目は、チーム内のコミュニケーションを活性化できることです。
設計されたアクティビティでは、普段あまり接点のないメンバー同士が連携し、意見交換や情報共有を行います。ワークショップで築かれたフランクな関係性は、業務に戻ったあとも継続し、雑談や非公式なやりとりを増やします。
結果として、部門間の壁が薄れ、意思決定のスピードと質が向上します。
③チームビジョンや目標の共有・浸透
3つ目は、チームビジョンや組織目標の共有・浸透が進むことです。
ワークショップでは、単に理念を伝えるだけでなく、メンバー全員で「何を目指すのか」「どう行動するのか」を考えるプロセスが重要です。ビジョンをテーマにしたディスカッションや行動計画づくりを通じて、メンバーは目標を“自分ごと”として捉えるようになります。
その結果、目標への納得感と共感が高まり、強いコミットメントと一体感が生まれます。
④チームの生産性・問題解決力の向上
4つ目は、チームの生産性と問題解決力が向上することです。
信頼関係と円滑なコミュニケーションがあるチームでは、建設的な意見の衝突を恐れずに議論できます。多様な視点が集まることで、課題に対してより柔軟で創造的な解決策を導き出す力が強化されます。
このようなチームは変化にも対応しやすく、レジリエンス(回復力)の高い組織へと成長します。
効果的なチームビルディングワークショップの設計・実施方法
ワークショップを成功させるには、目的の明確化からプログラム設計、そして現場での柔軟な進行まで、綿密な計画と工夫が欠かせません。特に、参加者の記憶に残り、日常業務に生かされる“体験”を設計することが成果を左右します。
①目的・ターゲット設定とプログラムの選定
成果の出るワークショップを設計するには、目的とターゲットを明確に設定することが最優先です。
目的や対象が曖昧なまま進めると、ワークショップが単なる娯楽に終わり、実務的な効果を得られません。
例えば、新入社員向けには心理的安全性を重視したアイスブレイクが有効であり、既存チーム向けには課題解決型や対話中心のプログラムが適しています。離職率改善やイノベーション創出といった目的から逆算して構成することで、ROI(投資対効果)の最大化が可能になります。
目的と対象を起点にしたプログラム設計こそが、成果を生み出すチームビルディングの第一歩です。
②ファシリテーションの工夫
次に、ファシリテーション(※)の工夫も重要です。ワークショップの成果は、ファシリテーター(※)の力量に大きく左右されます。ファシリテーターが場を一方的に進行すると、参加者の主体性や発言の自由が失われ、学びが浅くなります。
成功するファシリテーションでは、双方向コミュニケーションを重視し、参加者の意見を引き出しながら場を柔軟に進行します。さらに、内省の時間を設けることで、学びを日常業務に落とし込むことができます。
多様な意見を尊重し、心理的安全性の高い場をつくることが、質の高いチームビルディングにつながります。
※ファシリテーションとは、会議や議論を円滑に進めるためにサポートする手法・技術のこと。ファシリテーターは、その役割を担う人を指す。
③“共通体験”を軸にしたリアルワークショップの設計
デジタル化が進むいま、メンバーが同じ空間で同じ体験を共有することは、オンラインでは得られない“情緒的なつながり”を生み出します。リアルの場だからこそ、表情・空気感・温度感といった非言語情報が伝わりやすく、相互理解やチームの一体感が育まれます。
こうしたリアルな場づくりには、体験のジャンルを問わずさまざまな方法があります。例えば、料理体験・アートワーク・ワークショップ、そしてスポーツ観戦など、多様なリアルイベントは自然と会話が生まれ、メンバー同士の距離を縮めるきっかけになります。
そのなかでも、球場観戦やフィールドツアー、選手との交流といった“スポーツを介した共通体験”は、感情が動きやすいため、チームの結束を強める効果が特に高いといえます。
ワークショップの評価と改善
ワークショップの成果を正しく測定するには、定量評価と定性評価を組み合わせた多角的な指標設計が重要です。満足度調査にとどめず、行動変容や業務成果への影響を可視化することで、施策のROIを明確にできます。
▼測定指標の例
満足度・効果実感(定性):アンケートを実施し、プログラム内容・ファシリテーター評価・業務への有用性を把握
コミュニケーション活性度(定量):実施前後で、チーム内の非公式な会話やチャットの頻度、雑談時間などの変化を比較
チームの生産性・目標達成度(定量):実施後3ヶ月程度を目安に、KPI達成率、プロジェクト成功率、納期遅延、ミス・クレーム発生率などの変化を確認
心理的安全性(定性・定量):「意見を安心して言える環境か」を測る設問を定期的に行い、スコア変化を追跡
これらのデータを組み合わせることで、ワークショップがメンバーの意識や行動、ひいてはビジネス成果にどのような影響を与えたかを客観的に把握できます。
また、得られた評価結果は単なる報告に終わらせず、PDCAサイクルとして次の改善に生かすことが重要です。具体的には、評価結果を基に課題を特定(Plan)し、改善策を実施(Do)、成果を再評価(Check)、そしてプログラムを最適化(Action)する流れを継続することで、ワークショップの質を高め続けることができます。
スポンサーシップでチームビルディングワークショップの実施
プロスポーツチームへのスポンサーシップは、共通体験を軸にしたチームビルディングを高いレベルで実現できる手段です。福岡ソフトバンクホークスのスポンサーシップメニューを活用することで、従業員のモチベーション向上や社内コミュニケーションの活性化につながる体験型のチームビルディングを実施できます。
ホークスのスポンサーシップを活用したチームビルディング
ホークスが提供するシーズンシートやスーパーボックスなどのホスピタリティメニューは、従業員への特別な福利厚生であると同時に、強力なチームビルディング施策として機能します。
▼シーズンシート(年間指定席)

シーズンシート(年間指定席)は、1年間を通じて同じ席で試合を観戦できる法人向けの年間契約席です。企業が顧客招待だけでなく、社員向けの福利厚生やチームビルディング施策として活用するケースも増えています。
年間を通じて利用できるため、部署ごと・プロジェクトごとに観戦機会を設けることで、日常業務では得られない“共通体験”による一体感を醸成できます。同じチームを応援する高揚感や、非日常の空間でのリラックスした会話が、社員同士の関係性を深め、コミュニケーションを自然に活性化させます。
▼スーパーボックス(VIPルーム)

スーパーボックス(VIPルーム)は、みずほPayPayドーム内に設けられた法人向けの特別観戦ルームです。最大16名まで利用できる完全個室型の空間で、試合を観戦しながら食事や歓談を楽しむことができます。
企業の顧客招待だけでなく、チームビルディングや社内イベントの場としても最適です。同じ空間で応援や会話を交わすことで、業務上の立場や部署を越えたつながりが生まれ、自然なコミュニケーションが促進されます。
▼冠協賛(ゲームデースポンサー)

冠協賛(ゲームデースポンサー)は、企業が特定の試合を協賛し、始球式や花束贈呈、社名アナウンス、ビジョン露出などを通じて自社ブランドを訴求できるプログラムです。広告露出にとどまらず、観客や視聴者との感情的なつながりを生み出す体験型の企業プロモーションとして活用されています。
また、社員や関係者が実際に始球式や花束贈呈といったセレモニーに参加することで、非日常的な舞台を共有するチームビルディングの場としても高い効果を発揮します。「チームを応援する企業」というポジティブなブランドイメージが社内外に浸透し、社員のエンゲージメントや企業への誇りを高める効果も期待できます。
大東建託株式会社の事例

福岡ソフトバンクホークスのスポンサーである大東建託株式会社は、協賛を通じて従業員のエンゲージメント向上と社内コミュニケーションの活性化を実現しています。
同社では、ホークス戦の観戦チケットを社内キャンペーンとして活用し、従業員やその家族に観戦の機会を提供しています。観戦レポートを募集して社内外に公開することで、社内から盛り上げていく活動にも取り組んでいます。
こうした取り組みは、単なる福利厚生を超えた“共通体験によるチームビルディング施策”として機能し、結果として従業員満足度と企業ロイヤルティの向上につながります。
まとめ
この記事では、チームビルディングのためのワークショップについて以下の内容を解説しました。
チームビルディングのためのワークショップとは
ワークショップで期待できる効果
効果的なチームビルディングワークショップの設計・実施方法
ワークショップの評価と改善
スポンサーシップでチームビルディングに向けたワークショップの実施
チームビルディングは、信頼関係の構築やコミュニケーションの活性化を通じて、組織の生産性と一体感を高めるための重要な取り組みです。なかでも、ワークショップのようにメンバーが“共通体験”を通じて関係性を深める施策は、効果的な手段の一つです。
特に、スポーツ観戦などの非日常的な場を活用したリアルなチームビルディングは、感情的なつながりを強化し、チーム全体のモチベーションと協働意識を高めます。
『福岡ソフトバンクホークス』へのスポンサーシップは、シーズンシートやスーパーボックス、特別イベントを通じて、こうした“体験型チームビルディング”を高いレベルで実現できる施策です。チームビルディングに活用できるスポンサーシップのメニューを用意しています。
詳しくはこちらの資料をご確認ください。




