コラボレーションとタイアップの違いとは? 企業が知っておくべきパートナー戦略の基本

企業が新しい価値を生み出す手段として、「コラボレーション」や「タイアップ」という言葉を耳にすることが増えました。どちらも複数となる主体が連携して“他社(者)と組む”ことを意味しますが、実際にはその目的や関係性、運用方法には明確な違いがあります。
本記事では、「コラボレーション」と「タイアップ」の違いを比較し、それぞれの特徴・活用シーン・ホークスでの事例を解説します。
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目次[非表示]
- 1.コラボレーションとタイアップの違いとは
- 1.1.コラボレーションの定義
- 1.2.タイアップの定義
- 2.メリット・デメリットの比較
- 3.企業がそれぞれを使い分けるポイント
- 4.施策実行時の注意点
- 4.1.目的を明確にする
- 4.2.KPIと評価基準を定める
- 4.3.権利関係・契約をしっかり整える
- 4.4.お互いのブランドの相性を確認する
- 4.5.コミュニケーション設計
- 5.福岡ソフトバンクホークスのタイアップ事例紹介
- 5.1.株式会社三陽
- 5.2.キッザニア福岡
- 5.3.東洋水産株式会社
- 5.4.タイガー魔法瓶株式会社
- 6.まとめ
コラボレーションとタイアップの違いとは
似ているようで異なるこの2つの取り組みを正しく理解することは、効果的な戦略を描くうえで欠かせません。まずはそれぞれの定義と具体例で違いを比較します。
コラボレーションの定義
コラボレーション(collaboration)は、複数の企業やブランド、クリエイターが対等な立場で協力し、新たな価値や商品、コンテンツを生み出す活動を指します。
コラボレーションは「共に考え、共に作る」関係性を基盤としています。双方の強みを掛け合わせて新製品開発、ブランディング強化、相互のファン層拡大、クリエイティブな相乗効果などを狙った長期的な価値創造が目的となり、企画段階からそれぞれが主導し、対等の関係で寄与します。
例えば、ファッションブランドとスポーツブランドが共同で新しいウェアラインを開発する事例などがあります。
コラボレーションの具体例
・アパレルブランド×アーティスト:「共同デザインによる新コレクション」
・テック企業×自治体:「地域課題解決プロジェクト」
などがあります。このように、コラボレーションは“共創”によってブランドの進化や社会的価値を生み出すことに焦点を置いています。
タイアップの定義
タイアップ(tie-up)は、マーケティングや販売促進、広告等の目的のために、企業や団体、ブランドやコンテンツなどが一時的に協力関係を結ぶことを指します。
タイアップは「共に作る」よりも「互いの強みを掛け合わせて露出を高める」という性格が強く、広告・販促領域の延長線上にあります。片方が主導しながら、もう片方がプロモーション手段やコンテンツ提供、露出チャネルを提供することで「集客」や「販売促進」などの短期的な成果の最大化が主な目的となります。
例えば、映画公開に合わせた飲料メーカーの商品キャンペーンや、アニメや企業のキャラクターと食品のパッケージタイアップや、アーティストと企業がキャンペーンを展開するケースなどが典型例です。
タイアップの具体例
・映画×飲料メーカー:「映画のキャラクターがデザインされたペットボトル飲料を販売」
・スポーツチーム×企業:「限定ユニフォームやコラボグッズの販売」
などがあります。このように、“相手の人気や認知を借りる”ことで相乗効果を狙うのがタイアップの基本構造です。
コラボレーションとタイアップの違いを整理すると以下の表にまとめることができます。
比較軸 | コラボレーション | タイアップ |
目的 | 価値創造、共創 | PR、販促、認知拡大など |
関係性 | 対等・相互的 | 契約的・一方向的 |
期間 | 中長期的(プロジェクト単位) | 短期的(キャンペーン単位) |
成果指標 | ブランド価値、ファン形成、社会的影響 | 売上、認知度、アクセス数 |
主な領域 | 商品開発、ブランド戦略、社会活動 | 広告、PR、販売促進 |
成果物 | 新商品、新体験、共創価値 | キャンペーン、限定グッズ |
「共に創造する」のがコラボレーションだとすれば、「共に告知や広告を行う」のがタイアップです。その違いは、企価値創造のパートナーシップか、業や事業のプロモーション活動か、という点に集約されます。
メリット・デメリットの比較
2つの施策に違いがあるということは、メリット・デメリットも各々で異なってきます。
コラボレーションのメリット・デメリット
メリット
- 両者の強みを生かし独自性の高い商品やコンテンツを創造できる
- 新規顧客層の開拓や長期的なブランド力向上
- 話題性や独自性で競合との差別化
デメリット
- 企画・開発に多大なコストと時間がかかる
- パートナーとの関係が傾くリスクが伴う
- 成功しなかった場合の負担も想定する必要がある
タイアップのメリット・デメリット
メリット
- 即効性があり短期間に成果を上げやすい
- 契約とKPI設定が管理しやすい
- メディアやターゲット層などに直接到達できるためブランド認知度向上、新規市場参入が容易
デメリット
- 効果が一時的であるため、長期的なブランド価値向上にはつながりにくい
- 提携先のイメージが自社ブランドに影響する
- 依頼側・提供側の関係が非対称であるため齟齬が出る場合がある
企業がそれぞれを使い分けるポイント
コラボレーションとタイアップは似て非なるものです。そのため、目的に応じてそれぞれを使い分ける必要があります。

ブランド強化・新価値創出を狙うなら「コラボレーション」
売上だけではなく、ブランドの価値や世界観を社会に広げたい場合はコラボレーションが適しています。共創プロジェクトを通じて「ブランドストーリーの深化」や「新しいファンの獲得」を期待できます。
適したケース
- 新市場への進出
- ブランド価値の再定義
- 社会的テーマ(SDGs・地域創生など)の推進
成功のポイント
- コラボレーション先との対等な関係構築と相互理解があるか
- 互いの企業やブランドの価値観や世界観に共鳴できる
- 共創プロセスの設計に時間をかけて行う
認知拡大・販促を狙うなら「タイアップ」
短期間で話題を作り、明確な数値効果を得たい場合にはタイアップが有効です。既存のブランドやメディアと組むことで、自社だけではリーチできない層へのアプローチが可能になります。
適したケース
- 新商品のローンチキャンペーン
- 認知度が低い層や新市場への訴求
- 季節イベントや話題性のある時期の展開
成功のポイント
- 相手ブランドとの世界観の整合性
- クリエイティブやメッセージの一貫性
- 明確なKPI設定と成果測定
施策実行時の注意点
コラボレーションとタイアップ、どちらの施策を選ぶかは目的、費用、ブランドの相性、リスク管理などによります。また、コラボレーションは、時間や投資、パートナーとの信頼関係構築が必須となります。タイアップは相手先の評判が自社に直結しやすいため、パートナー選定は慎重に行うことが大切です。
目的を明確にする
まず「認知拡大」「新商品開発」など、何が目的なのかを明確にしましょう。目的がぶれると期待する成果を得ることができなくなります。
コラボレーションの目的
- 対等な関係で新事業・新商品開発を目指したい
- 長期的なブランド価値向上を重視したい
- 他にはない独自性や話題性で競合と差別化したい など
タイアップの目的
- 短期的に売上や認知度アップを狙いたい
- 既存商品の価値を高めたい
- 限定キャンペーンで消費者の関心を引きたい など
KPIと評価基準を定める
コラボレーションなら売上比率やブランド指標(ブランド認知や好感度)など中長期KPI、タイアップなら露出数やCV(コンバージョン)などの短期KPIを設定します。
権利関係・契約をしっかり整える
タイアップは契約的な側面があるため、ある程度整備されていますが、コラボレーションでは中長期に及ぶ施策のため、知的財産権、販売・製造責任、クオリティ管理などの扱いを明確にすることが大切です。
お互いのブランドの相性を確認する
両者のブランドイメージや価値観が乖離していると、消費者から違和感を持たれ、逆効果になることがあります。ターゲット層の重なり具合やブランドトーンを事前に検証しましょう。
コミュニケーション設計
消費者にとって魅力的なストーリー(なぜこの協業が価値があるのか)を明確に伝えることが重要です。ストーリーを打ち出すことでアプローチ層の関心を高められます。
また、タイアップのほかにも、さまざまな企業の悩みに応じたアイデアについて、役立つ資料を無料でこちらのページよりダウンロードできます。
福岡ソフトバンクホークスのタイアップ事例紹介
福岡ソフトバンクホークスは、地域や企業とのタイアップを積極的に展開し、プロモーションや販売促進、認知度の向上など、活動に応じた施策を提供しています。ホークス独自のタイアップ事例の一部をご紹介します。
株式会社三陽

ホークスは地元福岡(九州)密着のプロモーションとして、株式会社三陽と「鷹のアジフライ」を企画し、みずほPayPayドーム名物として販売しています。選手を起用したインパクトあるCMを、球場内ビジョンや各メディア広告で放映し、ホークスファンとの接点を創出、企業や商品の認知度向上につながっています。ホークスと親和性のあるストーリーや、美味しさも相まって来場者に浸透し、「鷹のアジフライ」は人気グルメのひとつとなりました。
キッザニア福岡

キッザニア福岡が開催した「こども応援キャンペーン」では、2025年7月21日から9月30日の期間中、キッザニア福岡のキャンペーン特設ページからチケットを購入した方、先着1,000組にホークス限定デザインのグッズがプレゼントされました。さらに11月下旬に開催される現役ホークス選手が直接指導する野球教室「ベースボールキッズ」へ招待する抽選や、SNSでキッザニア福岡をフォローすると限定壁紙をもらえる企画も実施されました。
東洋水産株式会社

2025年7月に、九州地区向けに「マルちゃん 赤いきつねうどん ホークス応援カップ」「マルちゃん 緑のたぬき天そば ホークス応援カップ」「マルちゃん バリうま ごぼ天うどん ホークス応援パッケージ」「マルちゃん焼そば3人前 ホークス応援パッケージ」といった限定パッケージ商品を発売。パッケージにはホークスのマスコット「ハリーホーク」がそれぞれホームユニフォームと鷹祭 SUMMER BOOSTユニフォームを着用したデザインを採用しています。
即席麺という日常の生活消費財にホークスブランドを組み込むことで、「購入して応援する」体験を生み出し、東洋水産の九州でのブランド力強化に一役買っています。
ホークスのライセンスを自社製品に活用できます。詳しくはこちらのページでもご紹介していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
タイガー魔法瓶株式会社

みずほPayPayドーム福岡で開催された「鷹祭 SUMMER BOOST 2025」にて「#タイガーボトルで野球観戦」を推奨するアクションを実施し、ホークスオリジナル真空断熱炭酸ボトルを数量限定で販売するとともに、タイガー魔法瓶の真空断熱炭酸ボトルを持参した方にはビールが50円割引、ソフトドリンク飲み放題が通常より200円割引になるキャンペーンを開催。同時に、タイガーボトルと観戦風景をSNSで特定のハッシュタグをつけて投稿すると、抽選でホークスグッズが当たる企画も行われました。
野球観戦を通した真空断熱炭酸ボトルの性能の認知向上、ホークスオリジナルボトルを限定販売することでホークスファンの認知向上も期待できる施策となりました。
福岡ソフトバンクホークスでは、ライセンス契約を締結いただくことで球団のロゴやマスコット、選手肖像などを使用した商品を制作・販売いただけます。ホークスのブランド力と貴社の商品と組み合わせることで、商品価値の向上や、新たな顧客層へのアプローチに貢献します。
詳しくはライセンス契約ページでもご紹介しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
この記事ではコラボレーションとタイアップの違いについて以下の内容を解説しました。
- コラボレーションとタイアップの違いとは
- メリット・デメリットの比較
- 企業がそれぞれを使い分けるポイント
- 施策実行時の注意点
- 福岡ソフトバンクホークスのタイアップ事例紹介
コラボレーションやタイアップは、使い分けを考え、目的に応じて適切な形式を選ぶようにすることが成功の鍵となります。また、どちらもロゴやキャラクターなどの活用だけではなく、「接点をつくった後に消費者・ファンがどう反応するか」「反応後の体験・参加価値をどのように付与するか」を設計することが重要です。
『福岡ソフトバンクホークス』では、タイアップを活用できるスポンサーシップのメニューをご用意しています。詳しくはこちらをご確認ください。




