2014/10/27 (月)
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21歳武田投手、強心臓を証明した「103球目」

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【10月26日(日) SMBC日本シリーズ2014 ホークス2-1タイガース 甲子園】

21歳の右腕が、メジャーも経験した37歳のスラッガーを驚かせた。シリーズ初登板初先発だった武田翔太投手が投じた大胆な1球に込められた、虎打線を手玉に取った投球術と底なしの勝負度胸――。

2対1とリードして迎えた7回裏2アウト一塁の場面。やや相手に流れが傾きかけており、一発を浴びれば逆転のところで対したのは福留選手でした。「勝負球」はその初球でした。一見すれば、ただのボール球。しかし、福留選手は驚きの表情を浮かべ思わず打席を外したのでした。

この試合の103球目。武田投手が投じたのは「ボールを思いっきり包み込むような握り」で投げたチェンジアップ。この試合、武田投手は最速150キロのストレートと緩いカーブとスライダーを中心の組み立てをしており、チェンジアップは「3、4球投げたかな?」という程度でした。相手は全く予想しなかった1球で、確実に動揺を誘いました。そして、大事な局面でいきなり初球に投げることが出来た武田投手の精神力こそアッパレ。試合後、その場面について尋ねると「若さがなくて“年齢詐称”と言われますから(笑)」と自信の堂々ぶりをジョークにして笑い飛ばしました。

この場面、福留選手は全く自分の打撃をすることが出来ずに2球目以降の直球や変化球には何とか当てて対応するだけ。最後はショートゴロに打ち取って、武田投手の初めての日本シリーズは7回3安打無四球1失点という上々の結果。何より6回途中まで打者17人をパーフェクトに抑える素晴らしいピッチング内容で、終盤2イニングをリリーフ陣に託しました。

打線は初回に先頭の柳田悠岐選手がヒットでチャンスメイクし、内川聖一選手がレフト前へタイムリーを放ち、プレーボールからわずか5球で先制。4回表には李大浩選手が左翼ポール際に特大の日本シリーズ第1号ソロを放ってタイガースを突き放しました。また、4回には柳田選手が中堅前のライナーを美技でキャッチ。7回には細川亨選手が素早い判断で二塁を狙った走者を刺すなど、守備でも武田投手を盛り立てました。

試合後、秋山幸二監督も「先発の武田がどこまで自分のピッチングが出来るか期待していた。度胸がある。甲子園のファンの皆さんは応援が凄いが、それに負けずに自分のピッチングが出来ていた」と絶賛しました。武田投手は日本シリーズ初登板初勝利。ホークスでは2011年の日本シリーズ第5戦の山田大樹投手以来です。

これで1勝1敗のタイとしたホークス。「SMBC日本シリーズ2014」は、28日(火)より、いよいよ舞台をヤフオクドームに移して熱戦を行います。

2014年10月27日掲載
田尻 耕太郎(ホークスオフィシャルメディア)

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