【春季キャンプ第1クール最終日】
最後の1スイングだけは「狙って」いました。2月3日(火)、内川聖一選手のフリー打撃58スイング目は会心の当たり。豪快な放物線をレフトスタンドに掲げました。「どうや!」と甲高い声を上げてにんまり。決してミスショットをしない技術力の高さは、さすがという他にありません。
この日は58スイングでサク越えは4本。右方向中心の打撃に徹する場面もあり、数字で評価することは出来ません。「もちろんまだ調整の段階ですが、今日は強めにスイングできました。第1クールと言われるかもしれませんが、僕は自主トレでしっかり作り上げてきたので大丈夫。キャンプだからといって、それをわざわざ最初の段階に戻す必要はありませんからね」。
今季、打率3割を達成すれば8年連続となり、日本人右打者として初の快挙です。しかし、内川選手の野望はまた別のところにあります。「40本ホームランを打ちたい」。オフにはフォーム改造も決意。昨年まで体を前傾していたのを、骨盤を立たせるために背骨を伸ばしてバットを構えています。スイングの初速が速くなるという利点が生まれるといいます。「顔の位置が変わるからピッチャーを見る景色が変わったように感じます。でも、実際に打ちに行った時の目とボールの距離感はそんなに変わらないと思う。慣れれば大丈夫です」。
失投を見逃さない技術とフォーム改造による進化――今シーズンは「キング争い」を内川選手が熱く賑わすかもしれません。
2015年2月3日掲載
田尻 耕太郎(ホークスオフィシャルメディア)
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