「すぐそこで観ているのは分かりました。だってグラウンドからでも（姿が）見えるんだもん。がんばろう、と思いました」。
杉内俊哉投手は熱い視線を感じていました。ネット裏の一室から観戦していたのは斉藤和巳投手。「カズミさんが観ている前でみっともない投球はできないですよ」。いつも以上に気合の入ったマウンドでした。

5月31日（土）、強力ジャイアンツ打線を1失点に抑えて完投勝利。この日の最大の武器は直球でした。「上半身の力を抜いて投げること」を意識した直球。下半身主導で、より前の位置でリリースするため初速と終速の差が少なく抜群のキレ味を生み出します。
「去年よりも感覚が良い」。
杉内投手自身も大きな手応えを感じています。また、斉藤投手も「（杉内投手が沢村賞を獲得した）2005年のときのストレートのようだった」と後輩左腕の直球を絶賛しました。

5月は4勝0敗の好成績。ただ、それに浮かれることなく「来月もがんばりますよ」とニヤリと笑った。その表情は自信に満ちあふれていました。
チームも3連勝で再び貯金生活。6月の攻勢を予感せずにはいられません。

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