2016/06/09 (木)
選手

和田投手、思い切った挑戦が奏功。トップ7勝目

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【6月8日(水)ホークス4-1ベイスターズ ヤフオクドーム】

<今日の熱男=和田毅投手 単独トップ7勝目。12奪三振の快投>

やはりクレバーな投手なのだと、改めて実感しました。

和田毅投手が見事な修正能力と対応力を発揮して、前回登板の悔しさ(6月1日ドラゴンズ戦、5回5失点で黒星)を晴らす快投を見せました。立ち上がりの2回まで6アウトのうち5つ三振で奪ってみせると、5回で早くも2桁奪三振を達成。7回まで投げて今季最多の12三振を奪い、失点は1点のみ。今季7勝目をマークしました。

試合前日から「自分の中では大きく変えて臨もうと思います」と話していましたが、その答えはマウンドでの立ち位置でした。前回まで左足をプレートの三塁側寄りに置いていましたが、この日は一塁側寄りに立っていました。

「5年前の日本に居たころに戻したという表現が正しいですかね」

アメリカでは三塁側寄りに変えていた理由は、ツーシームなど動くボールを投げるようになったことや、硬いマウンドで体に負担がかかること、ボールの違い、打者の立ち位置(アメリカはホームから離れる、日本は比較的近い)などが挙げられます。

「アメリカでツーシームやカットボールを覚えてスタイルも変わったので、帰って来てもそのまま投げていましたが、これまで何度も簡単にホームランを打たれてしまったり、投げる際に球を押し込めていないなと感じたりすることがあり、ここ1か月くらいはどうしようかと考えていました」

前回登板で敗れたことで、思いきって変更を決意。ブルペンで投げてみるとコーチら周囲の反応も上々でした。

「投げる際に肘が下がっていたのが改善されました。クロスファイヤー気味に投げることに伴って下半身の使い方が変わったことで、肘が上がるようになった」

右打者がインコースの直球に腰を引きながらストライク判定の場面もあり、横の角度で上手く勝負が出来るようになりました。

「また日本でやるわけですし、自分でアジャストしていかないと」

35歳を迎えて円熟期を迎えたサウスポーですが、「上手くなりたい」という成長欲は常に持ち合わせています。7勝目は両リーグ最多。「最多勝争いをできるということは、それだけチームが勝つということ。その中で抑えられたのは幸せなことです」と納得の笑みを浮かべていました。

工藤監督の熱男トーク
――和田投手が好投。
「素晴らしい内容だったし、三振を取る球もコースを間違えずに投げていた。前回登板後からしっかり調整をしてくれた。コレを続けていってくれるとありがたい」

――柳田選手は内角の難しい球をホームラン
「ああいうホームランが出るとむやみにインサイドを攻めづらくなる。ヘンな力みもなく来た球にくるっと対応していた」

――中村選手が2安打
「はい! コーチともいろいろ話をしながらやっている。本人も苦しんでいると思うが、調子を戻してくれるのは、やはりヒット(が出ること)。立ち向かって、いつものアキラくんに戻ってほしい」

2016年6月9日掲載
田尻 耕太郎(スポーツライター)

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