2009/10/30 (金)

ドラフト1位指名・今宮選手、目標は「3000本安打」

1位指名を受けた明豊・今宮選手は仲間に担がれ笑顔を見せる
1位指名を受けた明豊・今宮選手は仲間に担がれ笑顔を見せる
ドラフト会議の会場で、開始前に談笑する西武渡辺監督と秋山監督。左はオリックス岡田新監督
ドラフト会議の会場で、開始前に談笑する西武渡辺監督と秋山監督。左はオリックス岡田新監督
ドラフト1位指名された明豊・今宮健太内野手(3年)が「永遠のライバル」との対決を心待ちにした。西武が獲得交渉権を得た花巻東・菊池投手とは今年の春夏2度甲子園で対戦。高校通算62本塁打のスラッガーも、怪物左腕の前には6打数1安打と抑え込まれた。子供の時からあこがれ続けた鷹のユニホームに身をつつみ、プロでのリベンジを宣言。走攻守三拍子を売りにする171cm、71kgの「小さな巨人」は「3000本安打」というビッグな目標も掲げた。

「鳥肌が立った」。自分の名前が呼ばれた瞬間、今宮は硬い表情のまま2度首を小さく縦に振った。プロの世界で生きていく覚悟を決めた瞬間だった。「こんな小さい体の自分を1位で指名してくれた。地元九州で活躍したい。『小さな巨人』となって、ソフトバンクに恩返ししたい」。171cm、71kgの少年は、全身からあふれ出す喜びを抑えきれなかった。

ドラフト中継を見ながら「1文字目が『イ』か『キ』かだけを聞いていた」。ソフトバンクの1位指名が「今宮」なのか「菊池」なのか。それを考えると前夜は眠れなかった。小学生のとき、週末は別府市内から父美智雄さんの運転する車で福岡市内へよく連れて行ってもらった。雁の巣球場での2軍練習を見学し、バッティングセンターへ。夜はヤフードームでナイターを見た。「いつかは僕も」。あこがれ続けたチームに自分の名前が呼ばれた。「今までに経験したことのないゾクっと感があった」。

あこがれのユニホームに身をつつみ、怪物左腕へのリベンジを果たす。菊池投手とは今年の春と夏、甲子園で2度対戦。前夜眠れなかった恨み? もあったのか「春でも、夏でも、ドラフトでも。(菊池投手の名前が自分に)まとわりついてきた。野球選手としての運命を感じる」とおどけてみせた。

今春のセンバツ。2回戦で菊池投手と対戦した今宮は「100%内角に来るとわかっていても、菊池君の球は打てなかった」と話した。その悔しさを胸に、センバツ後から夏までの間に、30発という驚異的ペースでアーチを量産。夏のリベンジの舞台を自らの手でつかんだ。しかし夏の甲子園準々決勝での対戦。菊池投手が背中の痛みを訴え5回途中で緊急降板、結局2打数無安打に終わった。「同一リーグだし、早く勝負ができるように死に物狂いでやりたい」と意気込んだ。

秋山監督は「身体能力が高いし、遠くに飛ばせる能力もある。松井稼頭央(アストロズ)のような選手になってくれたら」と期待を込めた。今宮自身も最もあこがれる野球選手が松井だ。「松井さんみたいな選手になって3割、30盗塁を決めたい」。それだけでは終わらない。「3000本安打も目指したい」。小さな巨人の夢は、どこまでも大きい。
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(提供:西部日刊スポーツ新聞社

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