たる酒の「金粉」を大事そうにすくうソフトバンク王会長。左は小林取締役、中央は角田球団代表

ホークスは5日、チーム強化を図る編成委員会の新設と王貞治球団会長の副委員長就任を発表した。50年に及ぶ球界でのキャリアをドラフトやトレード、外国人の補強に生かし、現場では若手へ直接指導も継続する。強いホークス復活へ王イズムをしっかり継承する。

監督勇退から1年が経過してもチーム強化の情熱はグツグツ沸き立っていた。王会長が編成委員会にかける思いの丈をぶちまけた。

王会長「昨年はユニホームを脱いで意識的に（チームと）距離を置いたが、現場だけががんばるのでなく、我々もチームの強化に役立たなければなければと感じた。編成委員会の話は私の思いと重なった。」

6年連続のV逸という現実に自らリミッターを解除。委員長を務める笠井オーナー代行は東京での実務が多く、王会長が実質的なリーダーとなる。月1回の定例会議を開き、今月は20日に行われる。

【ドラフト】
チーム編成と育成、補強をまかなう「編成・育成部」の情報をすべて把握する。王会長は「スカウトは日本中を回って情報を集めてくる。我々は上位の選手は知っているが、ふるいを掛ける段階は知らないから」と一次的情報から網羅するつもりだ。

【補強】
トレードやFAで獲得を狙う他球団の選手をマーク。外国人助っ人も「向こう（海外）で実績はあってもこっちではどうなのか。いろんな角度で見たい」と、球団の海外担当に加えて個人的なパイプも駆使して情報を集め、絞り込み作業にも携わる。

【育成】
この日も王会長は「2軍監督や打撃コーチをしたいという興味はある」と熱弁。春季キャンプでは秋季に続いて、2軍の若手を中心に直接指導する。「育成も大事、力を入れたい」と熱かった。

王会長は「プロは勝たないといかん。去年は巨人が素晴らしいシーズンにして日本中を盛り上げた。ホークスも勝ってファンに応えないと」と最後まで雄弁だった。常勝軍団復活への思いにあふれていた。