2010/01/13 (水)

馬原投手、自主トレでハイスピードカメラを導入

ハイスピードカメラで撮影しながら文字の書いてあるボールでキャッチボールをする馬原投手
ハイスピードカメラで撮影しながら文字の書いてあるボールでキャッチボールをする馬原投手
球団初となる「無敗セーブ王」を目指す馬原孝浩投手が「佑ちゃんカメラ」を導入した。12日、熊本県内で自主トレを公開。毎秒1,000コマの録画再生ができるハイスピードカメラを駆使し、投球時のフォームや細かい球の回転までチェックした。この秘密兵器は早大大学院スポーツ科学研究科が所有し、早大野球部でも使用されている超ハイテクカメラ。細部までチェックし、スキのない調整を積む。

馬原投手が、神内靖投手を相手に力強いボールを投げ込む。気温8度と冷え込んだ熊本・益城町のグラウンド。神内投手の真横には守護神馬原投手の投球を撮影するハイテクカメラが固定されていた。

馬原投手「(球が)どういう回転をしているのかが本当によくわかる」。投球後に撮影した映像を食い入るように見つめチェックした。

守護神のボールを撮影したこのカメラは毎秒1,000コマの録画再生が可能な、ファステックイメージング社のハイスピードカメラ。今回の自主トレを手伝う早大大学院スポーツ科学研究科の永見智行さんが持ち込んだ。「工場の製造ラインなどで不備のチェックなどに使用されるカメラですが、スポーツの動作解析でも使われます」(永見さん)。従来のスピードカメラは毎秒200コマが標準で、馬原投手を撮影したのはその5倍と高性能。さすがに値段も200万円前後と高価だ。

早大出身でチームの先輩である和田毅投手の紹介で以前から親交のあった永見さんに馬原投手が今回の自主トレでのカメラ使用を依頼した。永見さんも「自分の研究にも役立つので」と埼玉・所沢キャンパスから機材を運んできた。早大野球部では今オフのドラフト上位候補、斉藤佑樹投手(3年)や大石達也投手(3年)らもこのカメラを使用している。

大学生投手よりは実績も実力もはるかに上の馬原投手だが、貪欲(どんよく)に学ぼうとする姿勢には裏付けがある。それは早大野球部時代に動作解析を取り入れ、入学時に最速120km/h台後半だった球速を飛躍的に向上させ、球界を代表する左腕となった和田投手の存在。「和田さんや杉内さん、ダルビッシュの(動作解析)映像なども見られるので、本当に勉強になっている」と馬原投手は充実の表情を浮かべた。

不調による屈辱の配置転換もあった昨季を振り返り「納得のいく球は最後の方の少しだけだった」と馬原投手。体の開きの早さなど、フォーム面では昨季の反省点をすでに見つけていた。それに加え「リリースの角度や、指のかけ方のちょっとした違いでシュート回転になったりすることがわかった」とカメラの導入で新たな発見があった。今後も自主トレ期間中はカメラ撮影を継続し「より真っすぐな回転を与えられるようにしたい」。ハイテクでパワーアップした守護神が、球団史上初となる「無敗セーブ王」と、自身初の優勝にピントを合わせた。
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(提供:西部日刊スポーツ新聞社

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