2位指名され、騎馬にまたがり絶叫する広島経大・柳田選手

2位指名の広島経大・柳田悠岐外野手は「松中選手2世」を目指す。夕闇迫る1室でパソコンを凝視。インターネット速報の指名欄に自分の名前を確認すると広島市内の同大で会見に臨み、博多の地に思いをはせた。

「指名されるか不安な気持ちでいっぱいでした。不思議な感じ…。本当に指名されたんだなと。松中選手のように大きな本塁打を打てるようになりたいです」

志は高い。通算336本塁打を放ったスラッガーが大目標。「インサイドを打つ技術は日本のプロ野球でも一番」と話し、ベテランの背中を必死に追う。広島6大学リーグでは通算4割2分8厘の高打率を誇る。かつて広島などで活躍した龍憲一監督が「足、肩、打撃の三拍子そろった選手」と評するように、50m走5秒9の俊足と遠投125mの強肩も持ち味だ。

柳田選手にとって広島がルーツだ。少年時代は旧広島市民球場でカープを応援。野村選手、緒方選手、そして金本選手（現阪神）のプレーに魅せられた。「金本さんのような強い体、ケガをしないような選手になりたい」。大学2年のときは頭部に死球を受けた直後の打席で左翼オーバーの長打をマーク。3年春には福岡遠征中、エレベーター落下事故に巻き込まれたが無傷だった。そんな鉄人ぶりは、厳しいプロの世界ではプラス材料だ。

柳田選手は言う。「毎年必ずAクラスに入ってくるチーム。福岡のファンもとても熱い印象です。少しでも早く試合に出て、たくさん貢献できるよう一生懸命頑張ります」。鋭い眼光をたたえて、無限の大空に羽ばたいた。