
うなぎのつかみどりを体験する柳田選手。右は南投手

うなぎの炭火焼きに挑戦する柳田選手

自ら焼いたうなぎの炭火焼きをほおばる柳田選手
開幕1軍まで、あと6cm!?ホークスのドラフト2位柳田悠岐選手がキャンプ休日の4日、首脳陣から柔軟性アップの珍指令を受けていたことを明かした。新人ではただ1人、1軍キャンプに参加。強肩強打の評価は高いが課題は体の硬さ。立位体前屈はマイナス6cmで、当面は「つま先まで」が目標だ。開幕切符にグイッと手を伸ばす。
右手にできた大きなマメがキャンプでの激闘ぶりを表している。オフのこの日は、同期の新人3人とともに宮崎市内のうなぎ処「鰻楽」を訪問し、うなぎのつかみ取りと炭火焼きを体験。生き物全般が苦手という柳田選手はおっかなびっくりうなぎをつかんだが「マメにしみるレベルがマックスでした」。独特のセンスで感想を話した。
キャンプ初日から打撃と守備の両面で大きくアピールしている。初日のフリー打撃では8本の柵越えを放ち、秋山幸二監督と王貞治球団会長の目を向かせた。「本当はフルスイングばかりじゃなくて逆方向に飛ばす打撃もするんですけど、最初だしアピールしなきゃと思って」とあえてフルスイングを続ける。「飛ばすねえ。体は大きいしいい振りをしているから投手にとっては怖い打者。今の選手の中では1番スイングが速いんじゃないの」と秋山監督も感嘆する鋭い振りを見せた。
そんな柳田選手の一番の悩みは体が硬いこと。メディカルチェックの測定では前屈がマイナス6cmを記録。手を伸ばしても地面にはるかに届かない規格外の硬さを披露してしまった。大学時代にはケガ予防などの意識は低く、プロになってようやく柔軟性の大切さに気づいた。
「めちゃくちゃ柔らかくしてケガを防止しなければと思います」
井出竜也外野守備走塁コーチから課されたキャンプの課題は「つま先を触れるぐらいになれ」。合宿所では朝風呂にストレッチで体をほぐしてきたが、キャンプ中も毎日風呂上がりにストレッチを欠かすことはない。「足が張っているのでストレッチするとすごく痛いんです」。そんな毎日の努力にもかかわらず、キャンプ中の測定値はマイナス6cmのまま変わらず。この日はさらなる柔軟度アップの願いを込めて?クネクネのうなぎをほおばっていた。6cm先に開幕切符がぶら下がっていると思えば、グイッと手を伸ばすしかない。
「自分ではまだまだだという気持ち。もっといいプレーができると思います」
強肩強打で新人離れしたプレーを見せる柳田選手だが、本領発揮はこれから。紅白戦が始まればもっとアピールのチャンスは増える。
「実戦でオッと言わせるプレーがしたいです。これからが本当の勝負です」
大型ルーキーが開幕1軍どころか野手としては06年の松田宣浩選手以来の開幕スタメンも夢ではない。