
三村氏が手がけたスパイクを履きサインプレーに参加した内川選手

新しいスパイクを履き笑みを浮かべる内川選手
内川聖一選手が「金メダルスパイク」で2年連続フル出場を目指す。高橋尚子、野口みずきらの五輪マラソンランナーのシューズを作製した三村仁司氏が11日、宮崎キャンプを訪問。匠(たくみ)の技を極めた職人のスパイクを武器に、新たに20盗塁も目標に掲げた。
内川選手が匠の技で足周りを強化した。マリナーズ・イチロー選手、ヤクルト青木選手、女子マラソン金メダリスト高橋尚子、野口みずきらのスパイク、シューズを作製する職人・三村氏と約2カ月ぶりに会い、足の使い方などの助言ももらった。
「本当に信頼できるから、すべてをお任せしています。久しぶりに会って、いろいろ話すことができた」
昨季はプロ入り後、初めて144試合フル出場を果たしたが、疲労は蓄積した。両足から感じる疲れを少しでも軽減させたい。昨年12月に三村氏が拠点とする兵庫県内の工場を訪問。足型をとりスパイクに改良を加えた。右足が28.5、左足が28.75cm。ミリ単位のフィット感にこだわったスパイクを今キャンプで導入、ヒットマンを支えている。
「昨年は全試合に出て、疲れもあった。今まで真剣に体のことを考えたことはなかったけれど、どうすれば少しでも疲れを感じないようにできるか。以前からお世話になっていた三村さんに、またお願いしようと思った」
横浜時代の06年から1年に1度、兵庫県在住の三村氏のもとを訪問。スパイクの選び方などの助言を受けていた。三村氏がアシックス社から独立し昨年1月にアディダス社のアドバイザーに就任。それをきっかけにスパイクやランニングシューズの作製を依頼した。
内川選手のフリー打撃を見守った三村氏は「内川の足は大きい。ランニングシューズのサイズは29cmにもなる。疲れをできるだけ感じないように考えてつくった。今年もやってくれるでしょう」と笑顔で話した。
今季の目標に20盗塁を加えた。過去最高は06年の8盗塁。だが、秋山幸二監督の現役時代にあこがれを抱く安打製造機は、打つことだけでは満足しない。
「自分はそんなに足は速くないと思っている。横浜の時は『盗塁するな』という方針もあった。(ホークスでは)塁に出ればより走ることも求められると思う」
打つだけじゃない。金メダルスパイクをはきこなし、内川選手は走りまくる。