
紅白戦で好投を見せた山田投手

紅白戦で細川選手(左)と話しながらベンチに戻る山田投手
FA捕手が引き出した、山田大樹投手に開幕ローテーション当確ランプ!山田投手が16日の紅白戦で3イニングを無安打無失点と完璧に封じた。2イニングは細川亨選手が速球主体のリードで引っ張り、3番内川聖一選手、4番小久保裕紀選手、5番多村仁志選手の主軸を3者凡退に抑えるシーンも。支配下登録2年目で先発の座を確実にした。
22歳の大型左腕に風格さえ漂っていた。苦労人山田投手が、輝きを放った。4回1死で主砲小久保選手と対戦。真っ向からぶつかった。力強い直球を主体に1ボール2ストライクと追い込んだ。ファウルで2球粘られたが、冷静だった。細川選手の要求するチェンジアップでタイミングを外す。昨季の不動の4番から空振り三振を奪った。スタンドの拍手を気持ち良さそうに浴びた。
「自分はやらないといけない立場。何も大きなことを言える立場ではない。細川さんがうまくリードしてくれたから」
ほぼ完璧な内容で開幕ローテーション入りを確実にした。走者を許したのは失策のみ。4回は3番内川選手を左飛、4番小久保選手を空振り三振、5番多村選手を右飛。クリーンアップを軽く打ちとった。
秋山幸二監督は「よかった。まとまっていた」と評価。高山郁夫投手コーチも「素晴らしかった。ボールを操っていた。この結果はたまたまじゃない」と絶賛した。3月25日から始まるシーズンでも先発要員として計算できる内容に目を細めた。
登板前、細川選手から「どういう球を投げたいんだ」と問われた。即答で「直球主体でいきたい」。昨年12月にオーストラリアのウインターリーグに参加。オージーボールと呼ばれるツーシームに手応えを感じている。だから最速152km/hの直球が強打者にどこまで通じるかを試したかった。
「ひとつひとつの階段を上っていきたい。これから何をすればいいか、自分でも分かっている。まだ課題はある。修正していきたい」
正確なコントロール、投球術などを身につければ、杉内俊哉投手、和田毅投手に続く存在にもなれる。1度は自由契約になりながら、育成選手からはい上がり、昨季4勝をあげた。今季は開幕から先発としてマウンドで躍動する。
細川選手は好投山田投手にあえて注文をつけた。主軸を封じ込めても、まだ物足りなさを感じていた。
「このままでシーズンに入って抑えられると思っていてはダメ。長所も短所も本人に伝えた。もっとやってもらわないといけない」
移籍捕手が感じた長所は力強い球質と、タイミングをとりづらい投球フォーム。一方で投球術など課題も目についた。
2回2死二塁では三盗を試みた立岡宗一郎選手を強肩で刺した。3打数無安打と快音を響かせることはできなかったが、若手投手と積極的にコミュニケーションをとった。
抜群の存在感を示しながら「当たり前のことをやっているだけ」と涼しい顔なのが頼もしい。