
報道陣と話す王会長
王貞治球団会長が統一球対策に回転レシーブ練習を提案した。今季から導入された統一球は飛ばない特徴があり、本塁打減が予想される。外野手の守備力が試合を左右するケースも大きくなる可能性がある。この日、キャンプ視察のため宮崎入りした王球団会長は、報道陣との談笑の中で新練習プランを披露した。
「これまで以上に球際の強さが必要。人工芝の球場では飛び込むことに慣れないといけないからね。水をまいて、滑るようにしておいて、練習しておかないと。バレーのレシーブではないけれど、捕ると捕らないでは大きな差になる」
バレーで飛び込む練習と言えば、回転レシーブを編み出し、1962年の世界選手権、1964年の東京五輪を制した女子バレー「東洋の魔女」が有名だ。人工芝で安易にダイビングを試みると、大きな故障につながる可能性がある。それでも人工芝の改良が進んで芝目が長くなるなど、近年はダイビングキャッチが多く見られるようになった。王球団会長のユニーク案は、水をまいて滑りやすくした上で飛び込む恐怖心をなくすというのが真意だろう。
秋山幸二監督は球際対策として、まさに回転レシーブのイメージがあるようだ。「人工芝は手を伸ばすプレーが必要だろうな」。捕球した後、そのままクルリと回転すれば、体のダメージも小さそうだ。
キャンプは明日23日に打ち上げ。本拠練習で異例の「東洋の魔女」大作戦が繰り広げられるかもしれない。