
グラウンドに置いたグラブを足で器用に蹴り上げるカブレラ選手(1)

グラウンドに置いたグラブを足で器用に蹴り上げるカブレラ選手(2)

フリー打撃で快音を響かせるカブレラ選手
カブレラ選手が26日の広島戦に「4番DH」で本拠地デビューする。25日、ヤフードームでの全体練習では高らかに打点王を宣言した。宮崎キャンプ途中から腰痛で別メニュー調整だったが復調気配。「つなぐ4番」を意識して実戦に臨む。
本領は、日本通算346本塁打を誇る豪快な1発だけじゃない。フリー打撃では左右広角に器用に打ち分け、細かい「つなぎ」を意識する"新カブレラ"がいた。
44スイングして軽々とバックスクリーンへ運ぶなど4本の柵越えを見せたが、低く強い打球を右翼、中堅、左翼にバランス良く打ち返す姿が際だった。目標も入団会見の3割20本100打点をはるかに上回る仰天の数字をあげた。
「今季は、つなぎの意識を大事にして本塁打より打点で貢献したい。とにかく打点にこだわる。的確に当てることを心がけ、結果として30本塁打、300打点を目指したい」
300打点という大げさな数字を掲げたのは、自信に満ちているから。宮崎キャンプでは腰の張りで別メニュー調整が続いた。秋山幸二監督は「まだまだって感じだな」と話したが、腰痛は快方に向かい、本来の打撃が戻りつつある。
04~07年に西武でも同じユニホームを着た立義家花打撃コーチは「キャンプでは口癖のように『バットは内から』と話し、打撃フォームを入念にビデオチェックしていた」と明かす。カブレラ選手加入による打線のつながり、得点力アップへの期待は大きい。
06年に西武でパ・リーグ打点王(100打点)に輝いた実績を持つ。ホークスでタイトルを取れば05年の松中信彦選手以来、右打者では97年の小久保裕紀以来の快挙だ。内川聖一選手の加入で1番川崎宗則選手からの上位陣には高い出塁率が期待できる。カブレラ選手が主砲の役割に徹しきれば、自然とタイトルも近づく。
層の厚いホークスではカブレラ選手も絶対的な存在ではない。松中選手、オーティズ選手もレギュラー奪回を狙う。守備にもこだわりがある大砲は、小久保選手と一塁争いを演じる。オープン戦から結果を出し、不動の4番としてだれからも認められる存在になるしかない。
腰痛でキャンプ中は紅白戦や練習試合も出場していない。今日の広島戦が初実戦となる。キャンプ中に王貞治球団会長と会食し貴重なアドバイスに触発された。「世界の本塁打王」の期待も胸に打点を重ね、勝利に貢献する。