
3回裏無死二塁、中前適時打を放つ細川選手

3回裏に適時打を放ち笑顔を見せる細川選手(右)
<オープン戦:ホークス1-0広島>◇26日◇ヤフードーム
恐怖の9番打者だ! 細川亨選手が、オープン戦初戦の広島戦(ヤフードーム)に9番捕手で先発出場。3回の移籍初打席で、決勝の中前適時打を放った。キャンプでの打撃改造が実り、3打数2安打と大当たり。下位打線のポイントゲッターに定着すれば、連覇への視界は大きく開ける。
変化球に自然と反応した。3回無死二塁、広島斉藤の5球目の内角低め。脇を締めた細川選手は、力まずにバットを振った。中前へポトリと落ちる先制打。ホークス移籍後初のオープン戦で、初のヤフードーム。初打席で結果を出した。
「飛んだところがよかった。まだ1試合ですから。何とも言えないけど、打てたことは良かった」
最低でも走者を三塁に進めないといけない場面。ベンチからのサインは「右打ち」だった。進塁打を心掛けた結果が、適時打につながった。第3打席では初球を右前へ運んだ。3打数2安打と結果を出した。過去最高打率は07年の2割3分9厘で、昨季は1割9分1厘。「守備の人」のイメージが強いが、打撃も進化したことを見せつけた。
宮崎キャンプでは若手に交じりほぼ毎日、早出特打を行った。王球団会長からフリー打撃中に「力をできるだけ抜いてスイングした方がいい」と助言をもらった。その金言を胸に刻み、ひたすらバットを振った。走り込みながらティー打撃を行うなど、力まずに打つコツをつかもうと必死だった。この日も、若手の柳田悠岐選手、今宮健太選手とともに全体練習開始前からバットを振り、特打を行った。
「当たり前のことを当たり前でやっているだけ。捕手だから打たなくていいという甘えはない。1人の打者として結果を求められることは分かっている」
ホークスの超重量打線が披露された。昨季の3割打者が1番川崎宗則選手、3番内川聖一選手、4番カブレラ選手、5番多村仁志選手の4人。カブレラ選手、6番小久保裕紀選手、7番松中信彦選手は本塁打のタイトルホルダーだ。下位打線から上位へのつながりがカギだが、9番細川選手がつなぎ役として機能すれば心配はなくなる。秋山監督は「良かったんじゃないか」とニンマリ。藤井打撃コーチは「あまり(下半身を使って打つのは)得意ではないみたいだけど、練習の成果が少しずつ出始めている」と評価する。
「20本塁打は打ちたい。『君なら打てる』と王さんにも言われたので」
もう守るだけじゃない。細川選手が恐怖の9番打者となれば、ホークスはリーグ2連覇へ大きく近づく。