
1回裏無死満塁、カブレラ選手は中前に先制の2点適時打を放つ

3回裏無死、四球を選んだカブレラ選手はベース上で満面の笑みを浮かべる

3回裏2死一、二塁、松田選手の中前適時打で生還したカブレラ選手は杉内投手(右)らナインに迎えられる
ホークスのカブレラ選手が、広島戦に4番DHで先発。初回無死満塁で中前2点適時打した。オープン戦初安打は、今季量産を掲げる打点つき。1番川崎宗則選手、2番本多雄一選手でチャンスをつくり、4番カブレラ選手がかえす。11年型タカ打線の得点パターンがお披露目された。
巨体で器用。新4番が持ち味を発揮した。初回無死満塁。これ以上ないおいしい場面に、カブレラ選手は舌なめずりしたに違いない。
「最低でも犠飛を打ちたいと思っていた。走者を返す打撃を意識していた。うまく打てた」
ここは1発‐とは力まずに、4球目の144km/h、真ん中低めの直球をはじき返す。技ありの一打は、先制打となる2点適時打。低めの球にも、きっちりミートする技術の高さを披露した。
気をよくした主砲は3回、先頭で四球を選ぶと8番松田宣浩選手の中前打で二塁から全力疾走で生還した。川崎選手、本多選手の1、2番コンビがチャンスをつくり、中軸がたたみかける。その中心がカブレラ選手だ。この日は3番松中信彦選手、5番小久保裕紀選手を両脇に、かつて本塁打王を獲得したトリオでクリーンアップを結成。6番多村仁志選手、7番内川聖一選手と昨季の3割打者が下位に並ぶ新打線は、機能した。
「1、2番は出塁が高く足が速い。後ろにも素晴らしい打者がいる。つなぐ意識を持っていきたい」
宮崎キャンプでは腰痛のため別メニュー調整が続いた。だが、3月25日のパ・リーグ開幕オリックス戦(ヤフードーム)に向けギアを上げてきた。藤井康雄打撃コーチが「もう、どうのこうの言うレベルの打者じゃない」と話す通り首脳陣からオレ流調整を容認。入念に腰のマッサージを受け痛みは和らいだ。オープン戦2戦目で移籍後、初安打初打点を放ち、本拠ファンから新4番として認められた。
「今年の目標は打点王。そこにこだわりたい」
西武時代の2002年に歴代最多タイの55本塁打を放った大砲が何よりこだわるのは打点。走者を返すことに集中する。フリー打撃前には「脇を締める意識をつけるため」とチューブを引っ張る練習を繰り返す。練習でも右へ左へ打ち分け、広角に打つことを意識する。
「場面、場面に応じた打撃をしていきたい」
本塁打の日本記録更新も期待される大砲だが、長打を無理に狙うつもりはない。安打の延長が本塁打でいい。あくまで打点王に照準をしぼり、豪華なメンバーが並ぶホークス打線の中核を担う。