
2番手で登板し、1回を3者三振に仕留めた攝津投手

2番手で登板し、1回を3者三振に仕留めた攝津投手

高山コーチ(右)にねぎらわれる先発ホールトン投手(左)と2番手の攝津投手
右のエースだ!今季から先発転向を目指す攝津正投手が、オープン戦初登板で好投した。中日戦に2番手で登板。5日のヤクルト戦に先発するため、1イニングの調整登板だったが、抜群の制球力で中日の主軸から3連続三振を奪った。開幕ローテ入りに前進するばかりか、手薄な「右」の柱としての期待が高まった。
まさに、針の穴を通すような投球だった。4回表2死から、攝津投手が投じた13球目。外角低めいっぱいに構えた細川亨選手のミットに、その球は糸をひくように吸い込まれた。この回2つ目の3球三振。中日ブランコ選手はお手上げといわんばかりにベンチへ下がった。昨季セ・リーグVチームの主軸3人を、すべて三振に片づけ攝津投手はいつもながらクールな表情でマウンドを降りた。
攝津投手「今までキャンプでやってきたことができている。今日は狙ったところにほとんどいっていた。」
先発としても誰にも負けない制球力で勝負していく。その思いを十分に表現したマウンドだった。先頭の4番和田選手に対しての投球。低めの直球2球であっさり追い込むと、3球目で勝負に出た。狙いはストライクゾーンの左下角。寸分の狂いもなく直球を投げ込むと、球界を代表する強打者も苦笑いで天を仰いだ。
和田選手「あえて球をセーブしてるのかな。コントロール抜群ですよ。ボールかなと思って見逃したけど、ミットを見たらストライクだった。」
今季から先発転向を目指しているだけに、まだ首脳陣からローテ入りは確約されていない。だがその球を受けた女房役は、先発としての活躍に興奮気味に太鼓判を押した。昨季まで涌井投手、岸投手などリーグを代表する右腕の球を受けてきた細川選手は、攝津投手の制球力があれば先発として十分に白星が計算できると確信した。
細川選手「コントロールがよくて、抜群ですよ。すべてが勝負球、全部で三振が取れる。あれだけコントロールがよかったら(先発として)何も問題ないですよ。」
今後は長いイニングでも結果を残し、右のエースを目指す。5日のヤクルト戦に先発予定で、3~4イニング程度を投げる見込み。スタミナ面を不安視する声もあるが、この日は2打者に3球勝負を挑んだ。球数を意識的に少なくできるのも、その制球力があるからこそだ。
攝津投手「先発としての自信はない。これを2イニング3イニング続けられるようにしたい。」
針の穴を通す制球力で、攝津投手が「右の柱」となる。