
2番手で登板するデレオン投手

背番号140を背負って力投する育成のデレオン投手

デレオン投手上手

デレオン投手横手
何だ、この投手は! 育成選手デレオン投手が、オープン戦で鮮烈なデビューを飾った。阪神戦に2番手で登場し、2イニングを完全に抑えた。上手と横手を自在に使い分け、ダイナマイト打線の主力を手玉に取った。30歳の異色右腕が、支配下登録に大きく前進した。
ドミニカ共和国から来た異色投手デレオン投手が、阪神の強打者を次々に幻惑した。6回表。先頭の鳥谷選手に対しての2球目、上手からスライダーを投げ込んだ。5回表には横手投げで投じていたはず。タイミングを外された鳥谷選手の打球は左飛。続く新井選手は横手からのスライダーで遊ゴロに打ち取ると、最後はマートン選手を上手投げの直球で遊ゴロに仕留めた。
デレオン投手「 (上手か横手かは)毎回、1球1球投げる前に決めている。今日は神様にお願いしたおかげで、リラックスしていい投球ができた。」
上手と横手を自在に使い分ける幻惑投法で、相手だけでなく味方をも驚かせた。5回から登板し、打者6人に対して完全投球。2種類の直球とスライダー、シンカー、チェンジアップの5つの球種があるが、どの球も上手と横手から同じ精度で投げ込む自信を持つ。だから球種は「10種類」。この日も、オフに練習用に使っていたという内野手用のグラブをはめてテンポよく投げ込み、阪神打線を手玉に取った。ほぼ真後ろで守った味方の川崎宗則選手でさえ、その投法に目を丸くした。
川崎選手「スライダーは切れてるしね。守っててもタイミングが取りづらいぐらいだから、打者はもっとだろうね。いいピッチャー。」
支配下登録へ大きく前進した。30歳という年齢ながら、昨年10月に育成契約。メルセデス夫人と7歳と5歳の息子2人の愛する家族をドミニカ共和国に残し海を渡った。来日後は毎日かかさず国際電話でコミュニケーションを取っているが、家族を日本に呼び寄せるためにも1日も早く支配下登録をつかむと心に決めている。
デレオン投手「その気持ちでやっている。自信はついてきている。」
26歳以上の外国人選手は支配下登録期限が3月末だが、近日中にも登録される可能性は高い。秋山幸二監督は「なかなか面白いんじゃない」と戦力として大きく評価。小林取締役も「そこら辺も踏まえて枠を5つ空けている」と説明した。支配下となれば中継ぎとして起用される可能性が高い。異色投手が敵も味方も幻惑する?