
マウンド上で手に息を吹きかける先発の杉内投手
屋外対策もOK!杉内俊哉投手が、開幕への準備をほぼ整えた。横浜戦に先発。オープン戦最長の5回を投げ、4安打2失点と危なげない投球でチームに安心感を与えた。
「直球の感じがすごくよかった。まだ投げられるだけの余力はあったし、疲れることもなく投げられた」
志願の屋外対策で、手応えをつかんだ。試合開始時の北九州地方の気温は8度。ただでさえ肌寒い中、風速は5mを超すこともあった。開幕までは残り2週間。首脳陣には故障など万が一の事に備え北九州での登板を回避させる考えもあったが、1年間チームを背負っていく責任感で肌寒い屋外での登板を志願した。
「仙台もあるし。寒いところで投げるのも慣れていかないといけない。どうしても、屋外が苦手と言われるし」
4年連続で2ケタ勝利をマークしている大エースだが、唯一Kスタ宮城のマウンドだけは苦手としている。2006年4月2日の白星を最後に苦しみのトンネルに入り込み、昨年8月に勝利するまで4連敗(7試合)だった。開幕前にあえて肌寒いマウンドで結果を残したのは、完全無欠のエースになるための大切な準備だった。
「真っすぐもチェンジアップもよかったけど、スライダーに関しては自分の予想以上に曲がっている。あとはそこの調整くらい」
今季から手首の角度をわずかに変えたことで、スライダーの曲がりが鋭くなった。前回登板した3日の阪神戦でも手応えをつかんだが、この日は屋外での風を受けたこともありストライクを狙った球がボールゾーンまで曲がった。それでも安打を許した2回と4回には、それぞれ直球とチェンジアップで狙いどおりの併殺打を奪った。普段通りに「勝つための投球」を見せたエースが、今季もチームに多くの白星を運ぶ。