
先発の攝津投手は6回を投げ3安打無失点に抑える好投を見せた
タカの無失点男だ!ドクターKだ!攝津正投手が、東日本大震災の復興支援試合となった19日のオープン戦・ヤクルト戦(ヤフードーム)に先発し、6回を3安打、6奪三振、無失点に抑えた。これで対外試合18イニング無失点。右のエースとして、風格が漂ってきた。
ピンチにも動じない。5回2死満塁。打者は1番青木選手だ。攝津投手は、内角低めのカーブで巧みにタイミングを外す。昨季セ・リーグ首位打者を一ゴロに仕留めると、表情をまったく変えずにベンチに戻った。先発転向後、最長の6回、最多の87球を投げた。抜群の制球力で無失点に抑えた。
「ほぼ狙ったところに投げることができた。徐々に力を抜いて投げることができた」
6三振を奪い、ヤクルト打線を寄せ付けなかった。リードした細川亨選手も「シンカーでもカーブでも三振をとることができる。コントロールがいいからいろんな配球が可能となる」と振り返った。
攝津投手にとって、特別なマウンドだった。秋田市出身で、JR東日本東北に所属していた社会人時代は仙台市内で過ごした。試合前、多くのファンが募金に参加してくれたことを同僚から伝え聞き、胸が熱くなった。東北出身者として被災地を勇気づける投球をしたかった。熱い気持ちがこもった投球を見せつけた。
「ファンの声援はありがたい。結果を出したかったし、(結果が)ついてきて良かった」
昨季71試合に登板した中継ぎエースが、右の先発の柱に生まれ変わろうとしている。秋山幸二監督は「あとは球数だな」と話し、次回の登板では、さらに投球数を増やす方針だ。開幕が延期されるパ・リーグで、第5戦の4月16日西武戦(ヤフードーム)で先発することが確実だ。
「これからは、もっとピンチの時もあると思う。7、8、9回にも同じような投球ができるか。課題はまだある」
先発に転向してから、まだ1カ月しかたっていない。だが、もう貫禄十分だ。気を引き締めた無失点右腕が、このまま開幕まで突っ走っていく。
攝津投手に負けじと、救援陣も好投した。7回から2番手として登板した森福允彦投手は、1イニングを無安打2奪三振。「3人で終われたことが1番」と納得の表情を見せた。8回から登板した金澤健人投手も、青木選手に安打を許したが危なげない投球で無失点。最終回は守護神の馬原孝浩投手が、最速151キロの直球で2三振を奪い無失点に抑えた。「かなり自分のイメージと合っている。かなりいい状態」と話した。