

開幕4番確定弾!カブレラ選手が、2試合連続の本塁打を放った。甘い球は見逃さない。4回に先頭で打席に立つと、2球目だった。広島先発ソリアーノ投手の真ん中の直球を芯でとらえ、左翼席にたたき込む。ベンチに戻ると、同僚からの祝福の嵐に思わず笑みがこぼれた。
「また、こういうチャリティー試合で打ててうれしい」
震災後のオープン戦はすべて東日本大震災の復興支援試合として行われている。前日20日のヤクルト戦で移籍後初本塁打を放ったばかり。4番指名打者で先発し、長打力を発揮した。昨季の4番小久保裕紀選手に加え、松中信彦選手、多村仁志選手、オーティズ選手と4番候補はたくさんいる。だが、出場したすべての試合で4番を打つのがカブレラ選手だ。不振を脱出し、4番での先発を確実にした。
キャンプでは腰痛を発症し調整が遅れていたが「3月25日の開幕に間に合わせるから心配しないでくれ」と宣言。開幕は4月12日に延期となったが、ようやくギアが上がってきた。試合前の打撃練習では「体を開かないようにするため」と、チューブを上半身にくくりつけたまま、バットを振り、次々とスタンドに放り込んでいた。その成果を発揮した1発でもあった。
試合前には小久保選手らと一緒に、広島のたる募金にも参加した。来日11年目の助っ人は、被災地の復興を心から願っている。開幕戦まであと3週間。できるだけ長く日本にいたいと願う助っ人は、さらに調子を上げていく。