

開幕左翼、確定弾だ!松中信彦選手が、オープン戦第2号を放った。広島戦(マツダスタジアム)に、3番左翼で出場。初回の第1打席で、右翼席へ技ありの2ランを放った。大型補強で定位置が保証されていなかったが、オープン戦打率3割7分9厘。左翼の定位置をがっちりつかんだ主砲が、2011年の準備を整えた。
松中選手の強靱(きょうじん)な下半身が、飛ばない統一球をスタンドにたたき込んだ。初回。1死一塁で広島ソリアーノ投手が投じた145km/hの低めの球を豪快にすくい上げた。見逃せばボールと思われた球は、長い滞空時間を経て右翼席に着弾。足腰の粘りと、バットコントロールがあってこその1発に、今季の準備が整ったことを確信した。
松中選手「カット(ボール)かな。うまくボールがバットにひっついた。いい形で打てた。」
オープン戦最終戦で心技体がそろい、レギュラーを確定させた。第2打席でも、数cmでファウルとなったものの、左翼線へ強烈な打球を放った。オープン戦12試合に出場し、打率は3割7分9厘。超大型補強でレギュラーが保証されていなかったが、開幕前に打撃の完全復活を見せつけ左翼の定位置をつかみとった。
松中選手「いい打ち方ができている。去年とは全然違う。(開幕までに)うまく波をつくって、今の形を忘れないようにしたい。」
故障などの影響もあった昨季の不振と、カブレラ選手や内川聖一選手の加入で激しいレギュラー争いに放り込まれていた。昨年12月にはグアム1次自主トレを敢行し、徹底的に下半身強化。キャンプでも初日から全開でバットを振りまくった。必死にもがいた3冠王が、全盛期に匹敵する打撃を取り戻した。
立花義家打撃コーチ「軸がしっかりしているから、後からしっかりボールが見えている。体がしっかりしているのが大きい。」
東日本大震災発生後、すぐに恵子夫人と話し合い、救援物資などについて役所に問い合わせた。これまでも東南アジアの森林保護や、病気の子供を球場に招待する活動を継続している。この日も試合前に、広島選手会が行っていた募金活動に飛び入り参加。前日20日には募金活動を行った本拠地での試合後に、女子プロゴルファーが博多駅前で行った募金呼びかけにもわざわざかけつけた。
松中選手「野球選手として、できることをやっていきたい」
心やさしき主砲が、復活したそのバットで被災者も元気づける。